院展の山岳風景画家・今野忠一氏の追悼展「こころの山河」
「残照」1996年、再興第81回院展 |
本展は、天童市の名誉市民でもある今野氏の画業を顕彰すべく企画されたもので、最後の院展出品作となった「歴」をはじめとする近年の心象風景、そして初期から晩年の作品約60点が展示されます。
社会的な名誉を欲さず、後進の指導に尽力
「凍嶺」1997年、再興第82回院展 |
「天童市美術館は開館以来『今野忠一の美術館』として画家を顕彰してきました。おかげさまで平成に入ってからのほとんどの院展出品作は美術館に納めていただきました。過去に何度も今野さんの展覧会を開催し、多くの方々に見ていただいてきましたが、これから新作を見ることができなくなるということはとても残念です。美術館ではこれからも今野さんの顕彰をはかっていきたいと思います。
このたびの展覧会は急きょ開催するもので準備が十分なものとは申し上げられませんが、50点から60点程度の展覧会を開催し、今野さんの歩みを振り返っていただけたらと思います。
社会的な名誉を欲さず、後進の指導にいつも力を入れてきた今野さんにはいつも頭が下がる思いでした。倒れたときも数日前にお弟子さん達の研究会に参加していたと伺いました。入院中は春の院展のことを気にされていたそうで、いつも院展そしてお弟子さんのことを思いやられていた人柄が伝わってきました。本当に残念です。」
「霽雲(蔵王)」2001年、再興第86回院展 |
■今野忠一(こんの・ちゅういち):大正4年(1915)山形県東村山郡千布村(現天童市)生まれ。昭和10年(1935)上京し郷倉千靱の門下生となる。昭和15年(1940)「菜園」が院展に初入選、その後院展を舞台に活躍する。院展で奨励賞、日本美術院賞などの受賞を続け、画風は当初の花鳥画から風景画に転じていった。昭和33年(1958)「老樹」で日本美術院賞次賞・文部大臣賞を受賞、翌34年(1959)に院展同人に推挙され、52年(1977)には「妙義」で内閣総理大臣賞を受賞した。平成18年(2006)、91歳で逝去。→院展-今野忠一
■展覧会名:「こころの山河」追悼 今野忠一展
会期:2006年6月16日(金)~7月16日(火)
会場:天童市美術館
開館時間:9:30~18:00(入館は17:30まで)
休館日:毎週月曜日
入場料:一般500円
■天童市美術館ホームページ:http://www3.ic-net.or.jp/~ten-bi/