日本画/日本画関連情報

No Border -「日本画」から/「日本画」へ

東京都現代美術館で開催される『No Border -「日本画」から/「日本画」へ』は『何故、今「日本画」なのか?』をテーマにした展覧会で、天明屋尚さんや松井冬子さんなど多彩な「日本画家」が顔をそろえました。

執筆者:松原 洋一

何故、今「日本画」なのか?
天明屋尚や松井冬子など多彩な「日本画家」が出品


長沢明
長沢明「トラとトラ」2005年
東京都現代美術館で、『MOTアニュアル2006 No Border -「日本画」から/「日本画」へ』(会期:2006年1月21日~3月26日)が開催されます。現代美術館で開催される『何故、今「日本画」なのか?』をテーマにした展覧会で、天明屋尚さんや松井冬子さんなど多彩な「日本画家」が顔をそろえました。

日本画の定義といえば、「日本画は日本伝統の画材と技法を用いて描かれた明治以降の絵画」というのが一般的な解釈になっています。明治以降が対象ですから、桃山時代の長谷川等伯や江戸時代の伊藤若冲などは日本画家ではなく、彼らの作品は日本画ではなく日本絵画ということになります。

この日本画サイトに掲載している日本画家もこの定義に基づいていて、日本画の公募団体に所属している人や美大などの日本画科で日本画を学んだ人などを対象にしています。しかし、そうすると日本画の画材や技法を使っていても独学の人などは曖昧な立場になってしまい、ユーザーの方からは「この人は洋画科の出身なので日本画家ではない」とか「江戸の画家が載っていない」などのご意見をいただくことも多く、日々「日本画の定義」の曖昧さに直面させられています。

その境界の曖昧さなどを解明すべく、日本画の定義をテーマにした展覧会が今まで数多く開催され、熱い議論もされてきましたが、今展の『-「日本画」から/「日本画」へ』というタイトルからすると、この問題も新しい世代の台頭を背景にソフトランディングに向かっているのかも知れません。

東京都現代美術館のホームページの展覧会紹介にあるように『現代美術―日本画、洋画―日本画という対立的な考え方を崩すような新たな世代が現れ、「日本画」という定義そのものに、もはや意味がなくなってしまった』ということなのでしょうか…。

■展覧会情報
展覧会名:MOTアニュアル2006 No Border -「日本画」から/「日本画」へ
出品者:篠塚聖哉/天明屋尚/長沢明/町田久美/松井冬子/三瀬夏之介/吉田有紀
会期:2006年1月21日(土)~3月26日(日)、月曜日休館
会場:東京都現代美術館企画展示室3F
開催時間:10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)

■アーティストトーク
日時:2006年1月22日(日)天明屋尚×松井冬子
日時:2006年2月26日(日)篠塚聖哉×長沢明×吉田有紀
日時:2006年3月05日(日)町田久美×三瀬夏之介
※各回15:00~16:00

■学芸員による解説
1月29日、2月5日・12日・19日、3月12日・19日・26日(いずれも日曜日)
※各回15:00~16:00

美術館のホームページの展覧会紹介
■過去の関連記事:日本画家の境界線
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