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飄逸にしてモダン!没後20年 水越松南展

[2005年9月10日~10月23日]異色の南画家・水越松南の展覧会が姫路市立美術館で開催されます。奔放な作風は戦後無所属で活動しするようになってからますます飄逸にしてモダンになっていきました。

執筆者:松原 洋一

飄逸(ひょういつ)にしてモダン!こんな画家がいた。

水越松南
水越松南「化粧」京都国立近代美術館蔵
異色の南画家として独特の作品を残した水越松南の展覧会が姫路市立美術館で開催されます。松南は京都で日本画を学びますが、写実主義的な表現に疑問を感じ、富岡鉄斎、フランス後期印象派に影響を受け、独自の南画表現を確立していきました。その奔放な作風はアンドレ・マルローやジャン・コクトーらにも賞賛され、戦後は団体に属さず無所属で活動し、ますます「飄逸(ひょういつ)にしてモダン」な作風へと変貌をとげました。本展は水越松南没後初の個展になります。

※南画は文人画ともいわれ、職業画家ではなく武士や学者などの文人が描く絵画のことを総称して言います。

「化粧」をアンドレ・マルローが激賞、「虎穴図」がジャン・コクトーを魅了

■水越松南略歴
水越松南(1888-1985)みずこし・しょうなん/明治21年(1888)神戸市に生まれる。父は姫路藩士で漢学者。谷口香きょう(山+喬)に師事。1910年京都市立美術工芸学校図案科、1913年京都市立絵画専門学校を卒業。1910年第4回文展に「春雨の船着場」が初入選する。次第に写実主義的な表現に疑問を感じ、富岡鉄斎、フランス後期印象派に影響を受けて、独自の南画表現へと向かう。1921年日本南画院第1回展に「一瓶秋色」で入選、1923年日本南画院同人になり出品を続ける。同第10回展出品作「化粧」、同第15回展出品作「虎穴図」はアンドレ・マルロー、ジャン・コクトーに激賞される。後進の指導にもあたり、日本南画松声会を創設、1926年に第1回展を開催。1936年大阪・朝日会館で初個展。1941年小室翠雲らによる大東南宗院の結成に参加。戦後は団体に属さず無所属で活動、現代日本美術展、日本国際美術展などに招待出品した。1985年97歳で逝去。

■展覧会情報
飄逸(ひょういつ)にしてモダン!こんな画家がいた。
[没後20年 水越松南展」
会期:2005年9月10日(土)~10月23日(日)
会場:姫路市立美術館
会場:姫路市本町68-25
開館時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)
休館日:毎月曜日(ただし9月19日、10月10日は開館し9月20日、10月11日休館)
観覧料:一般800円、大高生500円、中小生200円

■講演会「新南画と日本南画院」
期日:2005年9月18日(日)14:00~(開場は13:30~)
講師:鶴見香織(群馬県近代美術館学芸員)
会場:姫路市立美術館2階講堂
定員:先着100名(無料)

■ミュージアムトーク
期日:2005年10月9日(日)14:00~(開場は13:30~)
会場:姫路市立美術館2階講堂
定員:先着100名(無料)

■ギャラリートーク
期日:2005年9月21日(水)及び10月1日(土)11:00~(10:30より企画展示室前にて整理券配布)
解説:姫路市立美術館学芸員
会場:企画展示室
定員:先着20名(無料、ただし企画展の鑑賞券が必要)
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