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RQの存在意義と商品価値

今やキャンギャルとしての役割ばかりでなく、一分野を確立した感があるRQ。

矢沢 隆則

執筆者:矢沢 隆則

レースクイーンガイド

 先回のコラムでRQは映像メディアで光らないのではないか?!という事をテレビ(特に地上波) に特化した視点で述べてみた。地上波はその特性と浸透度から、知名度を得るには効率の良いメディアだが、同時にファンの純度も落としてしまう。更に視聴率の点からも扇情的に成り易く、低俗な部分ばかり助長されてしまいがちだ。

それでも巨大メディアによるプロモーションは影響が大きいと考えるのか、RQも所属プロダクションも出演に対して積極的だ。イメージを削り落とす事と引き換えに知名度と話題性を得る。芸能界にありがちな成り上がりの方程式に沿うかの如く、一様に巨大メディアに靡く傾向にある。だが、RQと呼称される「カテゴリーに属する者」のプロモーションに関しては、全く逆の発想から効果を得る事が可能だ。今回はその点について述べてみたい。

RQは96年に関連出版物の発売を機に、第2次ブーム(諸説色々あるが・・)が巻き起こった。とかくブームとは一過性を伴うもので、通り過ぎた後のシーンの衰退具合は見るも無残なものだ。しかし、当時のRQブームは出版物という顧客の能動性を必要とするメディアを通したものだった為、 ファンの純度を極端に落とさずに済んだ。ネットの世界でもこの頃を機に続々と関連サイトが立ち上がり始め、現在その数は当サイトの「おすすめリンク」を見て頂ければ一目瞭然のように数百に及んでいる。

以上のような流れからRQブームが浸透していった訳だが、ここで特筆すべき事はセルビデオを含めた出版物とネットの存在である。これらはTVと違って顧客に能動性が無ければ情報を入手できない。きっかけはどうであれ、求めるアクションを起こした時点でマニアの扉を叩いている訳だ。この扉が存在する事により大衆へのアピールは難しくなるが、その分、シーン全体の密室性は保たれる。問題はその先にあるものである。

ここで他分野から一例を挙げてみよう。声優界に桜井智という人がいる。世間的に知名度が高いとは言えないが、その世界ではトップクラスの人気を誇る人である。彼女の素晴らしい所は、コアなファンが求めているものを完璧なまでに把握し、それらを全て自らのパフォーマンスに反映させている点である。齢三十に手が届こうとも、ニーズさえあればフリフリのミニスカだろうが、三つ編にブルマー姿だろうが厭わないのである。

無論、自らの意思で居場所を選択した者のニーズに応えるという方法は、外来者にとって 敷居が 高くなり、新規ファン獲得は難しくなる。しかし、彼女は巨大メディアを通じて名を売る事よりも、密室の中に身を置くマニアの為だけに存在する方を選んだ。この選択はRQと同じ能動性を必要とする分野において極めて有効な手段だ。知名度と支持率が必ずしも比例しない点と、マニアがこれぞ!と思った対象に対しては、いかなる投資も惜しまない心理を上手く突いたのだ。自分の存在意義も高められ、シーンの純度も保て活性化にも繋がる。ビジネスとしても上手いやり方だ。

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