アイディアを生み出すための余裕を
鉛筆「dips」
hum「dips」1本189円(税込) 削ったら出てくる色は、ホワイト、レッド、イエロー、ブルーの4色。 |
「humのラインアップに筆記具を入れたいと考えた時、一番しっくり来たのが鉛筆でした」と坂田さん。アイディアを生み出すための文房具ブランドhumの 鉛筆は、その機能よりも、例えば、お気に入りの筆記具を書く内容に合わせて持ち変えるように、軽やかにアイディアを生み出すツールとして考案されたもの。名前のディップという言葉通り、鉛筆に塗料が半分だけ塗られています。その銀色の部分を削ると、その削り口から色が覗きます。色は全部で四色。白、赤、黄色、青のどれかが、銀の部分の下に塗られているわけですね。
銀色に塗られた方を削ると、こんな風に下から色が現れる。芯の色は黒のみ |
木目の方を削ると、こちらは普通の鉛筆です。木の手触りが良い感じです。このどちらから使ってもいいし、両方削ってもよくて、削る事で変化していく、それが遊び心へと繋がって、気持ちに余裕を生みます。その余裕こそが、アイディアを生み出す際の大事な心の動きなのです。鉛筆一本に大層な話だと思う方も多いと思うのですが、こういう、手元で起こる小さな変化というのは、想像以上に脳に刺激を与えてくれるものです。
手に持った状態での書きやすさが抜群
メモ帳「pocket note」
hum「pocket note」1,050円(税込) 色は青、黄、赤、アイボリーの4色。リフィルは交換式で一冊210円。 |
いわゆる手のひらに収まるサイズのメモ帳です。ロディアのNo.11などと同じ位の、まあオーソドックスなサイズのメモ帳なのですが、表紙の色が、青、 赤、黄、アイボリーと、とても明るく鮮やかな色が揃っているのが特徴です。「これは、hum全体に共通するのですが、色は、まず気持ちがアクティブになるものをと、考えました。明るく楽しく仕事が出来る色使いは何だろうと考えて、humのコンセプトに近いものとして、公園の遊具をイメージした色に決めたんです」と坂田さん。アクティブさと遊び心を感じて仕事に望んでもらおうという色なのです。
一枚づつ切り離せる角丸のメモ。メモした紙を入れるポケットも付いた、固くて丈夫なカバーが付いている |
ポケットに入れて持ち歩き、何処ででもメモが取れるように、単行本の表紙のような丈夫な表紙に一枚づつ簡単に切り取れるメモ用紙を収納。アイディアの断片をメモ書きしたら、それを切り離して机の上に並べて、スタッフとブレスト出来るように、という仕掛けです。しかも、表紙カバーは、くるりと背表紙側に開けるだけでなく、下の部分がはみ出して、パームレストになるので、立ったまでの記入がとても安定します。このパームレスト機能のおかげで、メモ用紙の一番下の部分まで、しっかり書ける訳です。
カバーが下まで来るので、一番下の部分まで楽に記入出来る |
リフィル部分は、この手のブロックメモとしては珍しく、四隅が角丸になっています。そのため、一筆箋として人に渡すのにも向いています。中も、無地と10mm方眼の二種類から選べるようになっています。特に、箇条書きに便利な10mm方眼は、メモで採用しているのは珍しいのですが、使ってみると、罫線としても、地図や表を書く際のガイドとしてもとても使いやすいものでした。コンセプト通りの、「手のひらの上の考え事スペース」と言えるメモパッドになっていると感じました。書いたメモを一時的に収納出来るポケットが付いているのも実用的です。
大事なページは折り目を付ける
ノート「dog ear notebook」
hum「dog ear notebook」B5サイズ1,260円、B6サイズ945円(税込) 色は、グレイ、レッド、イエロー、ブルーの4色。中は共通の3mm方眼 |
「書いた事を後で見直す時に、気の利いた印の付け方は無いか、と考えた時、ページの角を折るのは、実はかなり便利だと気が付いたんです」と坂田さん。humのdraw部分、つまりアウトプットする場として考えられたノートは、ページの端に折り目が付いていて、全ページに栞が付いているように使えるもの。アイディアを書き留めると同時に、アイディアを参照するためのデータブックとして使えるように作られています。面白いのは、この「dog ear notebook」、デザインに表も裏もありません。だから、ページ端の折り目を、右上にも右下にも出来ます。クオバディスの手帳のように、右下端を折り目に沿って切り離すことで、簡単に最新ページにアクセスする使い方も、後で参照したいページの右上端の折り目を折って目印にする事も、好きな使い方をユーザーが選べるのです。
こんな風にページの端を折り曲げられるように折り目が付いている |
サイズはB5とB6の二種類。打ち合わせの時に机に広げて使う際の大きさの限界はB5だろう、という判断だそうです。中は3mm方眼。罫線に縛られず、絵 を描く際にはガイドにもなるという理由で決めたのだそうだ。角丸でシンプルな外装は、グレイ、レッド、イエロー、ブルーの四色展開。ここまでシンプルなデザインのノートも珍しくて、そのせいか、使っていると、まるで自分専用のノートのように思えてくるのが不思議な感じでした。また、端を折るのが前提になっているという使い心地は、慣れると、ページ間を有機的に繋ぐような感覚で使えて、アイディア同士が思わぬ結び付きを見せてくれる事もありました。