流し打ちのヒットを打ち続けるイチローのよう

M・ベンツEクラスクーペ
E350には走行状況に応じて減衰力を自動調整するセレクティブダンピングシステムを備えたアジリティコントロールサスペンションを採用。E550(写真)は連続可変制御ダンパーを備えた電子制御エアサスペンションを装備する

メカニズム的には、CとEのクロスオーバーで、まあサイズ的にみればほとんどCクラスである。けれども、乗った感じはちゃんとEクラス風味になっていて驚いた。特に、段差を超えるときの第一振動やその収まり方、高速走行時のゆるやかなコーナーなど、手応えがCクラスより上質。ひょっとしてCクラスもマイナーチェンジでこんな感じに進化するのだろうか?

街乗りから、高速長距離ドライブまで。じつにそつなく、憎たらしいくらいにたんたんと、汗ひとつかかずにこなす。流し打ちのヒットを打ち続けるイチローのようなものだ。どんなときでも、同じように振る舞い、関わる誰かを不満や不安に陥れるということがない。そういうことが逆に楽しい、と思えるようになるまでには、残念ながら至っていないけれども、そんな世界観もあっていいなと思えるほどには歳を取った。

だから、Eクーペあたりでメルセデスに入信するのもアリだと思う。特に、これから登場するであろう直噴ガソリン系CGIエンジンが積まれたら面白い。まったく逆に、E63クーペAMGなんてのも、あればあったで気になるけれど……。

M・ベンツEクラスクーペ
セダンがステアリングにATセレクターを配するのに対し、クーペではフロアに設置。操舵角に応じてステアリングギア比を変化させるダイレクトステアリングが採用される

国産ガイドの国沢センセに“キミはインテリアフェチすぎ”だと某雑誌の企画で指摘されてしまったけれど、やっぱり、これで内装がもう少しエモーショナルだったらなあ、と思ってしまう。あ、でもきっと、そんなインテリアにするとM・ベンツらしく冷静沈着なドライブが、どこかで破綻するのかもしれない。だからベンツのインテリアって、上から下までどれもこれも割とダサめ?そこまで考えて、割合そっけない内装デザインを採用しているんだとすると……。

メルセデス、恐るべし。

M・ベンツEクラスクーペ
4座独立式とされたシートはヘッドレスト一体型を採用。前後シート間隔は789mmとされ、後席も大人が座ることのできる十分な広さをもつ
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