今回は、貯まる保険の中でも、保障も兼ね備えた低解約返戻金型の長期保険をご案内しましょう。
低解約返戻金型の保険とは
一生涯保障が続く終身保険や保険期間が90歳を超える長期定期保険のような長い期間の生命保険で、保険料の支払いを保険期間よりも短い期間で設定し、保険料を支払っている間の解約払戻金(かいやくへんれいきん:解約時に保険会社から契約者に戻ってくるお金のことです)を低く抑えることで、保険料を安く抑えた保険のことです。したがって、従来の終身保険よりも保険料が安く設定されています。なぜ、貯まる保険なのか?
繰り返しになりますが、この保険は保険料を払っている間に解約すると、戻ってくるお金は払った保険料の総額よりも少なくなります。だいたい6割から7割に減ってしまいます。どういうことかというと、毎月1万円の保険料を20年払って払い込みが満了する場合、支払う保険料は
1万円×12ヶ月×20年=240万円
です。これを10年でやめてしまうと支払う保険料の総額は120万円ですね。でも、10年で解約すると約6割の72万円しか戻ってきません。
ところがこれを20年間頑張って保険料を払い続けると、21年目で解約した場合、払った保険料の240万円を超える解約返戻金が受け取れるわけです。
実際には、加入時の年齢、性別、払込期間、特約の有無などの条件によって解約返戻金の金額ももちろんですが保険料も異なります。しかし概ねイメージとしては頑張って払い込みを終了すれば、支払った保険料よりも解約返戻金が多くなるということです。いわば、単純に保険会社に預けて積み立てていったら、少し利息がついて戻ってきたというイメージで良いと思います。
どのように利用するのか
この保険が単なる貯金と違うのは、保険であり保障が付いていることです。しかも一生涯とか90歳以上という長期間の解約しなければほぼ確実に保険金を受け取ることができる保険なのです。そして保険料の払込期間は、保険会社によりますが、ほぼ任意に設定できます。払込期間中の解約は避けなければいけないので、いつまでにいくらためなければいけないという計画を立てた場合、貯める期間に保険料払込期間を合わせれば、支払った保険料を上回る解約返戻金を受け取れる設計となります。
たとえば、学資保険の代わりに使えます。払込期間を16年にし、17年後に解約して学資として活用する。老後の生活資金として65歳を払込満了にし、解約後は年金として活用する……などの長期の資産形成に一役買う保険なのです。
そして、この商品は先述したように、保障を目的として作られた保険ですから、しっかりと加入時から保障が付いています。
学資として利用した場合は、お父さんがこの保険に加入した場合、お父さんが亡くなった時に保険金を受け取ることができます。加入時から受け取れるので、学資保険で言うところの育英資金となります。ある一定の期間積み立てが必要で、確実にリターンを得たい場合はお勧めの貯蓄法です。