ソルベンシー・マージン比率は保険金の支払い余力のこと!
ソルベンシー・マージン比率とは、「支払い余力」という意味です。生命保険会社は将来の保険金などを支払うために「責任準備金」を積み立てています。通常、予測できる範囲のリスクについては「責任準備金」で支払いに対応できます。しかし、予想もしない出来事が起こることがあります。例えば、大地震や大津波、株の大暴落などです。
ソルベンシー・マージン比率とは、こういった通常の予想を超えた出来事が起きても、「支払い余力」があるかどうかを判断するための行政監督上の指標です。ソルベンシー・マージン比率はパーセント(%)で表示され、200%を下回ると監督当局から早期是正措置が発動されます。ですから、200%以上であれば、健全性の1つの基準を満たしていることになります。
ソルベンシー・マージン比率は、どう見ればいい?
生命保険会社の経営の健全性は、ソルベンシー・マージン比率だけを捉えてすべてを判断するのは適当ではありません。過去に経営破たんした保険会社のソルベンシー・マージン比率は200%以上だったことがほとんどだからです。ですから、この比率はあくまで指標の1つと捉えて、その他、資産運用の状況や業績の推移、第三者機関の格付けなどから総合的に判断することが大切です。
ソルベンシー・マージン比率は、いつ・どこで見られる?
生命保険会社は、平成9年度決算から、ソルベンシー・マージン比率を公表しています。ほとんどの会社は、年4回の決算が終わった後に最新の数値を公表しています。
各社のホームページやディスクロージャー誌に載っているので、加入しようと考えている保険会社、既に加入している保険会社の数値を確認しましょう。その際、直近の数値だけでなく、何回か分をさかのぼって数値がどう変動しているかも確認を。つまり、点だけではなく、線で見ることも必要ということ。
なお、生命保険協会では、生命保険会社全社のディスクロージャー誌を取り揃えていて、本部と全国50か所の地方事務室・相談所、全国の消費者センターに配置してあります。