メルセデス・ベンツ/メルセデス・ベンツの車種情報・試乗レポート

我が家にやってきたオープンカー スマート・ロードスターを購入(2ページ目)

1台もクルマを所有していない状態から3ヶ月が過ぎ、僕はついに辛抱たまらず1台のクルマを購入した。以前にもこのページで、何度も取り上げたスマート・ロードスターがそれだ。

執筆者:河口 まなぶ

話がすっかりあらぬ方へ行ってしまった感じだが、実はそうではない。スマート・ロードスターは今言ったような部分をほとんどクリアしており、理想的に思えたのだ。もっとも最近登場したトヨタ・パッソ&ダイハツ・ブーンをベースした国産マイクロ・オープンがあれば、それを買ったかもしれないが。

スマート・ロードスターのサイズは軽自動車のそれより一回り大きい。かつ排気量もわずかに大きな700ccのターボである。このクルマの場合、2人乗りということもあるのだが、加速は気持ちよさを十分に感じさせるだけのものはあるし、燃費は平均して17km/Lをたたき出す。特筆すべきはエコランをしてではなく、楽しく気持ち良く走らせて、である。

以前にも書いたが、僕はスマート・ロードスターをして、決してピュアなスポーツカーだとは思っていない。しかし、その軽さと小ささは、ピュアなスポーツカー以上にピュアな部分を見せてくれたり、ピュアなスポーツカー以上にスポーツカーを感じさせてくれるところすらある。

しかもそういった走りを、低い社会的負荷で実現している辺りは、まさに今後のオープンカーやスポーツカーを考えた時のひとつの答えといえる。

納車直後、箱根取材のときに乗っていったら、同じオールアバウトの国産車ガイドを務める国沢さんにあって、「エコなクルマ買ったの初めてじゃない?」と言われた。全くその通りだが、僕はその時意識せずにこう答えた。「これくらい楽しければ、買いますね」と。

そう、世の中にはスマート・ロードスターなんかよりも、もっとエコなクルマはある。しかし残念なことに、自動車の本質の部分である走りにおいて、楽しいとか気持ち良いといった根元的な魅力を持つクルマを僕は他に知らない。だからこそこれを選んだ。

しかしそんなことよりも、久々のオープンカー生活の再開は、思った以上に心を豊かなものにしてくれるものだ。そこが嬉しい。
特にスマート・ロードスターの場合は、走行中でもスイッチひとつで大開口のサンルーフ状態になるから、思い立ったらすぐに屋根を開けられる。だから機会があると、本当にいつでもどこでも開けてしまうほど。この時期だと、夕暮れ時が最高。その楽しさで仕事帰りの疲れがアッという間に吹き飛んでいく。

考えてみれば、僕はS2000を手放して以来オープンカーを所有していなかった。実に4年振りのオープンカー生活である。

しかもスマート・ロードスターは2ペダルであるため、僕だけでなく妻のお気に入りでもある。妻いわく「オープンカーって自分で運転すると気持ち良いし楽しいね」とのこと。当たり前のことだが、今までそうできなかった人からの言葉を改めて聞くと、なるほどなぁと思えてくる。

スマート・ロードスターは僕だけでなく、家族の心をも豊かにしてくれそうだ。この分だとスマート・ロードスターは、僕の車歴の中で長い時間を過ごす1台になりそうである。
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