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ランドローバーの世界(3ページ目)

昨年冬にヴォーグ、スポーツのレンジローバー、ディスカバリー4のリニューアル、今年春に一部改良を受けたフリーランダー2など充実のランドローバー各車の魅力と世界観に迫る。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

ランドローバーらしさ満点

ディスカバリー
05年にディスカバリー3へとフルモデルチェンジされ、09年12月にディスカバリー4へとアップデート。第4世代へと移行したわけだが、内外装のリフレッシュ、新開発の5L V8エンジンの変更など、フルモデルチェンジというよりもリフレッシュというのがふさわしい。価格はSEが674万円、HSEが794万円
レンジローバーヴォーグが最上級フラッグシップとして豪華さを増し、サイズも大型化しているなか、かつてのレンジローバーのサイズ感や道具感を抱かせるのが、ディスカバリー4だ。とはいってもインテリアは洗練され、走りも現代的な質感を身に付けるなど、最新のランドローバーらしいもの。

昨年冬のディスカバリー4への移行では、3シーターや直線的なボディパネルはディスカバリー3から踏襲。ディスカバリー3のインパネは、ボディと同イメージの直線基調のシンプルなデザインで道具感にあふれていたが、レンジローバーとの統一感を抱かせる高級感あふれる優しい造形に生まれ変わっている。

3列シートを有するSUVはいくつかあるが、最もヨンク的なフォルムを有しつつ、3列化を果たしているのがディスカバリーだったが、4代目になり洗練された内外装、とくにインテリアを手に入れたことで、ステータス性は一気に高まった。もちろん、2列目と3列目を倒せば単身者の引越ができそうなフラットで広大な荷室も魅力だ。アクティブな趣味をもっているならディスカバリー4がふさわしいだろう。

悩ましい選択

レンジローバースポーツ
ディンクスであり、都内に住むレポーターがライフスタイルを考えるとフリーランダー2が使いやすいのだが、サイズ的にはレンジローバースポーツもギリギリ許容範囲。豪快な加速とスポーティかつゴージャスなインテリアはやはり捨てがたい魅力だ。オンロードの快適性と走りを重視して予算が許すなら選択肢に入れたいところ
フリーランダー2からヴォーグまでランドローバー各モデルに共通するのは、悪路を走破するために徹底的に取り回ししやすいボディデザインと運転席からの視界、堅牢なボディ、全モデルに搭載される進化したテレイン・レスポンスなどの電子デバイス、そして高品質で使いやすいインテリアだ。エンジンやトランスミッションは図抜けて優れているわけではないが、トップランナーに加わる資質を備えつつ、独自の世界観を提供するのがインテリアだろう。アウディのクールで隙のない質感や木目などを巧みに使ったメルセデスの分かりやすい高級感、BMWの機能的でスポーティな世界とはまったく異なるのだ。

ドライバーがグローブをしたままでも操作しやすい大きめのボタンやダイヤル、ステアリングスイッチには視線移動することなく操作できるように凹凸がつけられるなど、徹底した合理性、使いやすさを追求する一方で、長年培ったノウハウが機能美にまで昇華している。

ランドローバーは、販売店の数なども含めてドイツ製SUVやハイブリッド化やハイテク化を全面に押し出す日本製SUVと比べると、濃厚なファンやクルマ好きのためのブランドだ。いってしまえば少しマニアック。だが一度乗ってみれば、道具としての使いやすさを徹底して追求したデザインにも関わらず、独得の高級感を貫いている希有なブランドであることがよく分かる。それは親が変わろうとも、“作るクルマは分かっている、やるべきことはこれしかない”というランドローバーの哲学さえ感じさせるのだ。

現在の4モデルいずれにのってもランドローバーらしさを味わえるが、いまディンクスのレポーターが選ぶならフリーランダー2だ。都心でも扱いやすいし、クルージングの相棒としても申し分ない。しかし一方で、レンジローバースポーツのスポーティさとゴージャスさの巧みな味加減にも惹かれる。予算が許せば豪快な加速とハンドリングに酔ってみたいというのがホンネだ。また、妄想は広がるばかりだが、もしレポーターに家族が増えればディスカバリー4、あるいは50代、60代となり郊外で暮らしているならレンジローバーヴォーグという選択肢も“あり”だろう。
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