MITSUBISHI(三菱自動車)/三菱

パジェロディーゼルの実力(2ページ目)

現在、日本の規制をクリアする乗用車ディーゼルエンジン搭載車は、エクストレイルディーゼル、メルセデスのE320CDIしかない。パジェロも貴重な一台だ。発売1か月でガソリンを上回る人気の理由は?

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

パワー&トルクは十分

エンジン
3.2Lのインタークーラーターボディーゼルは、最高出力170ps/3800rpm、最大トルク37.8kg-m/2000rpm。V6、3.0Lの178psには若干及ばないが、26.6kg-mのトルクには大きく差を付ける
走り出しから余裕を見せてくれるパジェロディーゼルは、ディーゼルならではの分厚いトルクで重い車体をグイグイと引っ張ってくれる。街中では流れをリードできるほどの出足のよさだし、高速巡航でもパワーに不足はない。クロカン系SUVにこそディーゼルがやはり似合うと思った。スポーツモード付きの5ATもスムーズに変速する。スポーツモードは高速巡航、ワインディングで威力を発揮してくれる。

走行距離が長いなら買い

インパネ
インパネの景色はガソリン車と変わらない。センターインフォメーションディスプレイには外気温、凍結情報などのほかに、瞬間燃費も表示する
パワーもトルクもあり、音、振動も想定内。そうなるとガソリンよりも安い軽油に目がいくだろう。しかし、ガソリンと軽油の価格差がもっと広がらないと万人にはオススメできない。価格差はグレードにもよるが約40万円。年間走行距離が1万kmに満たない、車検を通しても1回程度であればガソリンでもいいだろう。逆に走行距離も伸びるし、スキーやキャンプなどでロングランを走るのであればディーゼルの魅力が俄然増してくる。なお、10月のデータによると「6:4」くらいの比率でディーゼルがガソリンを上回っているという。ロングボディしかないディーゼル、やはりエクストレイルディーゼルと同様に健闘が光る。

パジェロディーゼルは、コモンレールシステムとNOxトラップ触媒システム、ディーゼルパティキュレートフィルターというDPFを採用し、コスト的にも現実的な方法を取っている。課題はNOxの削減と燃費向上の両立だろうが、PMに関しては0.004g/kmとポスト新長期をクリアしている。来年10月以降の「ポスト新長期」への対応も注目ポイントだろう。

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