必ず売れるわけではない

COTY
雑誌・インターネットを中心とした36媒体から実行委員会が構成され、実行委員会が選出した65名の選考委員が投票を行う

自動車離れの風潮を受け、日本カー・オブ・ザ・イヤー(以下COTYと略)が話題になる機会も少なくなってきた。より正確に言えば、以前からCOTYを取ったクルマは売れたかというと、そんなこと無い。じゃ何のためのCOTYをやっているのか?

全く関係無いけれど、盆暮れやお祭りのない1年ってどうだろう。おそらく無味乾燥の日々になるんじゃなかろうか。もっと言えば、スキーだってゴルフだって、美味しい食べ物だってムダ。「意味がないこと」と言われたらその通りだ。

けれど大半の人は、ムダを承知で行事を楽しんでいる。というかムダこそ文化だと思う。COTYも同じ。世界で最も充実した自動車産業を持つ日本が、その年に発売されたクルマの1等賞を決める“お祭り”をやるのは自然な流れだと思う。

COTY
大磯プリンスホテルで行われたCOTY。まず10ベストカーとして10台を選出し、その中から日本カー・オブ・ザ・イヤー大賞が選ばれる

自動車メーカーに聞くと、開発に関わる技術者にとって良い目標になっているそうな。実際問題としてCOTYの大賞を取るのは簡単じゃない。単純に「良いクルマ」や「売れるクルマ」、はたまた「性能の良いクルマ」ではダメだからだ。

考えて欲しい。良いクルマなら高額車しか受賞出来ず、売れるクルマだと軽自動車ばかり。そして性能で選ぶとスポーティモデル優勢になってしまう。ではどんなクルマが候補になるのだろうか? 今までの受賞車に共通するのは「時代を感じさせる」こと。

例えば1990年の受賞車を見ると三菱のディアマンテ。この年を振り返れば、消費税の導入により大幅に自動車関連の税制が見直され、2リッターオーバーの3ナンバー車のハードルは大幅に下がった。ディアマンテというクルマはその象徴みたいなもの。