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今回、私がよく行く2階のカフェ『side:b』で、このビルの3つの店舗をプロデュースする、BBAインターナショナルの永井氏に話を伺った。 |
店内に入るとそこにズラリと並べられたイームズのアーム・チェア。それらはアメリカ西海岸の古い学校で実際に使われていたものが珍しく発見され、店内イメージに合わせて空輸されたもの。
ミッドセンチュリー系の家具は何年か前から注目が集まり、特にイームズなどは人気が過熱してヴィンテージ・デニムのようにマニアの崇拝の対象になってしまったような感じもするけれども、実際にはこんな風にさりげなく機能的に置かれている方がカッコいいのでは、と思う。
アーム・チェアの使い込まれてヤレた感じと、30年以上前に建てられた外国人住宅ならではの雰囲気が、独特にマッチしている。
そしてこの場所はカフェ、プラス・アルファのサムシングがある空間としてイメージされている。その何かとは、(情報)という事。
棚に並べられ、壁にディスプレイされた洋書の数は300冊以上。それらはほとんどファッションに関するもので、あまり他では見かけないものも多い。
「客層のほとんどがクリエーターと呼ばれる人々で、常に様々な情報を吸収している人たちです。表通りからは場所が離れているという事もあって、ぶらりと立ち寄るような一般の方はあまりいませんね」
と永井氏は語る。
なるほど、昼間の時間は営業していない、というのもうなずける。
洋書の写真集などは高価なものも多く、それをここで見ている私のような人間も多いのだと思う。でも本当に欲しいもので雑誌などは、比較的手頃だし、自分のサイトで紹介していたりもする。
また、(情報 )というのは、そこに集まってくる人間のことでもある。
今回は「ファッションとカフェ」というテーマなのだけれど、最近では服のショップよりもカフェにいる女性の方がオシャレだな、と思う事が多くて、それはカフェという場所の魅力が、そこに集まってくる人々のもつ雰囲気によって決まってしまうからでもある。
そういえばパリなどでも、オシャレだなと思う人は高級ブティックよりも、カフェで見かけるような事が多かった。いかにも、というオシャレをしていなくて、
さりげなくて、でも個性的で・・・
そう、アンティーク家具を置いたカフェの空気感のなかでオシャレに見えるような女のコのファッションは、私自身、最近のテーマでもある。
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