80年代を現代的にエッジィに!
ALEXANDER WANG 2009年春夏NYコレクション (c)SWAROVSKI |
大ブームとなっている80年代調ルックも、ワン氏が火をつけました。80年代にヒットした刑事物のTVドラマ「マイアミ・バイス」からインスパイアされたコレクションを、2009年春夏・NYコレクションのランウェイに送り出し、その後の80年代ブームを呼び込んだのです。
一見、マニッシュなテーラードジャケットは、ジャケットの袖をまくり、強烈ネオンなピンク。夜通し遊びまくる「オール」が当たり前だった80年代のイケイケ感を思わせます。カボチャのようなバルーン型ショートパンツで合わせつつ、よろいのような表情の黒インナーで緊張感をプラス。
ALEXANDER WANG 2009年春夏NYコレクション (c)SWAROVSKI |
面白いのは、本物の80年代を再現したのではなく、想像の80年代イメージにインスパイアされているところ。なぜなら、1984年生まれのワン氏は当時、まだ生まれて間もない子供でした。リアルな80年代を知らないからこそ、当時のエッセンスを生かしつつ、現代感覚で読み替えた新アレンジを加えることができたわけです。このあたりのズレ感は遅く生まれた者の特権とも言えるでしょう。
スワロフスキーのクリスタルパーツ「クリスタライズ・スワロフスキー・エレメント」がまばゆいジャケットドレスはあえてアクセサリーレスに。透明感あるクリスタルのきらめきに身をゆだねる贅沢な一枚仕立てです。今やモード界の長期予報官となった感すらあるワン氏だけに、このあたりの提案は既に次の秋冬トレンドまで織り込んでいるかのようです。
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