ケイト・モス・フォー・ロンシャン誕生！(2ページ目)

ケイト・モスに聞いた「ケイト・モス・フォー・ロンシャン」前編

Photo by Jean-Francois Julian

ロンシャンとのコラボレーションのきっかけは？
―ロンシャンとはかなり長く仕事をしていて、4年間に8回のキャンペーンに参加しました。よい関係を築けています。ロンシャンは私を理解してくれて、一緒に仕事をするのが本当に楽しい。ソフィ（・ドゥラフォンテーヌ：ロンシャン アーティスティックディレクター）は素敵な女性です。ですから今回のコラボレーションは自然な成り行きであると同時に、特にロンシャンのあらゆる面での質の高さを考えると、私にとってこの上ないチャンスを与えられたと思いました。

コラボレーションの開始前から、何をしたいかについて明確なアイデアがありましたか？
―とてもたくさんの可能性がありました。まずソフィが私の家に来て、私がバッグに何を求めるのかについて長い時間をかけて話し合いました。私は普段使いのバッグには好みの形があります。クラッチバッグは封筒のように開き、フラットなタイプが好き―そういったことを話しあったのが出発点でした。それから段階ごとに私自身の好みを加えていくことになったのです。

ご自身はバッグに何を求めますか？
―私にとって優れもののバッグは、ゆったりとして、しかも軽いもの。荷物が多くていっぱい詰めこむから、バッグ自体が重いと持ち上げることもできません。耐久性も大事だし、バッグ本来の機能性も備えてほしい。いつでも口が開きっぱなしのようなバッグは全く機能的でないと思います。

ソフィ・ドゥラフォンテーヌとそのチームとはどのように作業を進めたのですか？ソフィが訪ねてきたり、ご自身がパリに行ったりしたのですか？
―ソフィが来てくれることも、私がパリに行くこともありました。ロンシャンのデザインスタジオに行き、ソフィのお父さんに会いました。ロンシャンを長年支えてきた人です。彼は本当に感じのよい人で、皆で座って話しているときも「これは気に入ったよ」なんて言ってくれました。本当にやりとりの連続でした。ソフィが私にレザーのサンプルを送り、私がメモを書きこんで送り返すという感じ。すべてが自然に、うまくいきました。それにソフィが私のことをよくわかってくれて、たとえば私が「この種類のレザーがいい」というと、すぐに対応してくれました。こんな風に作業を進められてとても楽しかった。

コレクションの完成までにどのくらい時間がかかりましたか？
―それなりの時間はかかりましたが、必ず成功させるつもりでした。パリで開いた最初のミーティングの後、ソフィは本当にあっという間にサンプルを送ってきました。すごいと思いました。それからソフィが作ってくれた試作品を前に、私が注文をつけました。「少し角張りすぎているみたい」「この角にもう少し丸味を」「このあたりにディテールを」といった風に。そして試作品を送り返すと、あっという間に作り直した試作品が手元に戻ってくるのです。

ロンシャンの印象は？
―人としてとても好きです。一緒に仕事をして楽しい、それが最大の理由です。私にとってそれは常に一番重要なこと。ロンシャンはファミリービジネスのブランドで60年を超える伝統があります。私はこのブランドの感性のすべてが好きです。

素材や色はどのように選びましたか？
―赤いバッグを作りたい、と言いました。明るい色を添えるためです。ペールグレーのスエードも好きです。ロンシャンには膨大なカラーチャートと、ファブリックやレザーの見本帳がありました。それを見ながら、「これがいいわね、これも、こっちも…」という感じで作業を進めました。

コレクションの中で、特にお気に入りのバッグはありますか？
―選べないですね。どれも気に入っています。すべてが、こんな時にこんな場所で使いたいという私の思いを反映させたバッグです。たとえば、ラッドブローク（Ladbroke）やグロスター（Gloucester）は普段使いに、グロスターのトラベルバッグは週末に使いたい。お気に入りと言えば、ゼブラスタイルのレザーはゴージャスだし、エメラルドグリーンのガルーシャのクラッチ・ハンドバッグも大好きです。


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