「総合病院なら安心」は少し前の考え方
一見同じような大病院に見えても、出産時の医療がどこまでできるかはまちまち |
「大きい病院なら安心」「総合病院なら安心」という言い方が今でもかなり頻繁に聞かれますが、それはお産の医療が今ほど高度化していなくて、どの病院も大体同じようにお産を扱っていた時代の話。今では分娩を扱うこともしていない大病院もけっこうあります。総合病院で確かに科の数は多いけれど、産科は中程度のリスクまでしか扱わないという所もたくさんあります。
「周産期」という言葉を覚えてください
高度医療のそばで産みたいと思う人は「産婦人科」「産科」だけではなく「周産期」という言葉も覚えておきましょう。周産期とは妊娠22週以降生後1週未満の期間を指し、科としては産科、新生児科(小児科の一部門)が一体となって担う医療ということになります。
都道府県は周産期の高度医療がおこなえる施設を総合周産期母子医療センター、それを補う施設を地域周産期母子医療センターとして定めています。
NICU(新生児集中治療管理室)は赤ちゃん、MFICU(母体胎児集中治療管理室)は妊婦さんに高度医療を提供
総合あるいは地域の周産期センターには基本的にNICU、MFICUあるいはそのいずれかが設置されており、24時間365日の手厚い体制が敷かれています。「大病院なら安心」という言い方に対応するのは、こうした病院です。
子ども病院やお産専門の病院が周産期センターに
周産期センターには、たくさんの科はないけれど子どもの専門病気であったり、「○○産院」などという名称で周産期専門の病院であったりすることも。こうした専門病院は、他科が必要な場合は近隣の救命救急センターがある病院などと連携しています。
地域の他の周産期施設は、こうした周産期医療の病院との連携により、安全性を高めているわけですが、はじめから高度医療の必要性が高いとわかっている方、あるいはそうした施設を希望する方は、周産期の設備を目安になさるといいでしょう。
地域によっては正常出産の人があまり受け入れられなくなっている周産期センターありますのでまず事前に相談してみてください。将来的には、周産期センターの多くに院内助産院が整備され、正常出産の受け皿になることも予想されます。