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バフェットが負けない訳は「海パンの法則」

今回は、世界三大投資家の一人、ウォーレン・バフェット氏が再び登場。投資に負けない法則として「海パンの法則」を説いていますがこれは一体どういうことでしょうか?

執筆者:木田 知廣

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今日のスピーチ Today's speech

You only find out who is swimming naked when the tide goes out.

引き潮になった時初めて、誰がハダカで泳いでいたか分かるものさ

今日の重要表現 Today's high light

You find out who is swimming naked. 「誰がハダカで泳いでいたか分かるものさ」

世界三大投資家の一人、ウォーレン・バフェット氏もビックリするようなダメダメな投資家っているそうですね。どんなタイプかと言えば、調子がいい時はブイブイ言わせて、「どうよ、オレって天才的な投資家じゃない?」とハナ高々。そのくせこらえ性がなく、一つうまくいかないとそのままズルズル損失を拡大して、しまいには「ボク、だめです~」と涙目になっちゃうような人。
そんなタイプを皮肉ったのが今回の文。“swimming naked”は「ハダカで泳ぐ」、“tide goes out”は海の引き潮ですから、かなり面白いビジュアルが頭に浮かんできますね。潮が満ちて水が満杯の時はブイブイ言わせて泳いでいたのが、ものごとがうまくいかなくなる、つまり、引き潮で水が少なくなると、実は全裸で泳いでいたことが周りの人にバレて、赤っ恥をかいてしまうのです。

今日の英文解説 Today's explanations in English.

今日の英文中でもう一つ気づいて欲しいのが、"You ONLY find out …"となっているところ。"only"は「たった○○だけ」という意味ですから、「引き潮になった時だけ」=「引き潮になって初めて」、誰がハダカで泳いでいるか分かる、とバフェットさんは言ってるのです。実は、ここに投資の難しさがあって、経済の成長というのは右肩上がりの一直線ではありません。むしろ、バブルの熱狂と暴落の恐慌をくり返しながら、全体でみれば徐々に右肩上がりになっていくのが真の姿。つまりは、投資をしているかぎり暴落は避けられないわけで、その備えなく投資をするのは、まるで全裸で泳ぐようなものだと、バフェットさんは戒めているのでしょう。
ん?待てよ。と言うことは…?
そう、カンのいい人ならば、この言葉の裏にあるもう一つの「真実」に気づいているかもしれません。仮に景気がバブルと暴落をくり返すならば…今のチョーがつくぐらいの不景気は、いつまでも続くはずがありません。実際、経済のデータでも世の中に流通するお金の量が増えていることは証明されていて、もしこのお金が投資先を求めてどこかに集中した時…相場は急上昇なんてことも起こる可能性は十分あります。そう、新たなバブルの出現ですね。そうすると、今の時点で投資をしない=泳がない、ことはもったいないわけで、次の成長市場を探しておきたいもの。もちろん、引き潮の時にも恥をかかないように、海パンをはく=投資のリスクは抑える必要があることは言うまでもありません。

今日の話を経済の観点からみる Economic point of view

 

 

今回のようにバフェットさんの言葉のウラを読むためには、「貨幣の供給量」というコンセプトを知っておくと便利です。「経済ダイヤモンドモデル」で言うと、「金利」、「株価」、「為替」、「物価」という4つの要素の間をぐるぐる回っているもので、経済という生き物の体内をめぐる血液のようなもの。血液サラサラで血の巡りが良いのが好景気というとイメージが掴みやすいのではないでしょうか。一方で、今のような不景気の時には、いざというとき困らないようにみんなお金を手元においておきたいと思っています。そうすると、いわば体のどこかで鬱血(うっけつ)して、血の巡りが悪くなるようで、これでは体調が悪くなる=景気が悪い、と想像がつきますね。



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