リスク遭遇確率100%の人が加入すると「助け合い」の仕組みは成り立たない
例えば、明日そのリスクに100%遭遇するとあらかじめ分かっている人がこの村の保険に参加したとすると、その人は明日必ず100万円の保険金を受け取ることができます。これでは、他の村人は保険料を払う気にはなれません。リスクに遭う確率が平等だからこそ、この助け合いの仕組みは成り立つのです。
保険は誰か一人がお得ということにはならない公平なもの
保険は加入者間で公平になるしくみ |
リスクに遭遇する確率の高い人がこの保険の仕組みの中に入っていると、同じ保険料の支払いなのに保険金を受け取る確率が高くなり、加入者間で不公平なことになります。
そこで、リスクに遭遇する確率が加入者間で不公平にならないように、例えば医療保険では、病歴などを告知したり診察を受けたりして、リスクに遭遇する確率が同じということを証明する必要があるわけです。保険金を受け取る時に、実はその人がリスクに遭遇する確率の高い人だったということがわかれば、保険の仕組みを成り立たすことのできない重大な違反になりますので、保険金が支払われないということになります。
また、リスクに遭遇する確率が高い人でも、その分支払い保険料を高くすることによって、支払う金額(保険料)と受け取る金額が確率計算で見合えば、公平性は保てます。例えば、年齢が高いほど死亡率が高くなりますので、その分、保険料を高くして、加入者間の公平が保てるようにするなどです。
「1泊2日の入院からでも保険金が支払われる」という医療保険は、保険金を受け取るケースが多くなるわけですから、その分保険料は高くなります。保障が付加されるということは、保険のしくみから考えて当然保険料は高くなるのが原則です。