メタボ健診、受けてますか?
メタボ健診は、生活習慣病になる人を減らし、ふくらみ続ける医療費を削減する目的で、2008年4月から実施されています。企業は、社員に健康診断を受けさせることが法律で義務づけられています。このため、定期健診に合わせてメタボ健診を行うことが多く、大企業を中心に社員の受診率は高いのですが、家族や定年退職したOBの受診率は低水準に止まっているのだそうです。また、自営・自由業とその妻など、国民健康保険に加入している人の受診率も伸びていないようです。
ちなみに、厚生労働省の「平成27年度特定健康診査・特定保健指導の実施状況」によると、メタボ健診の実施率は50.1%でした。
受診しない理由は、「忙しいから」、「面倒だから」、「近くに受診できる医療機関がないから」など、人それぞれでしょう。けれど、病気は重くなって入院治療が必要になると、自分で負担する医療費も、国(健康保険)が負担する医療費も高くなります。そんなお金の問題だけでなく、自分の心と体が受けるダメージ、家族や職場などの周囲の人へ心配や迷惑をかける度合いも大きくなりますよね。
保険で入院に備えておくことは大切ですが、その一方で、病気にかからないよう健康管理に気を配ることも大切です。そして、病気にかからないよう予防を心掛けること、病気にかかったら早く見つけて早く治療することも。そのために、メタボ健診を受けることをおすすめします。メタボ健診は40歳から74歳までの人が対象なので、39歳以下の人は通常の健診を受けてくださいね。
定期的に健診を受けていても、早期発見できない病気もあるでしょうし、早期発見ではあっても入院治療が必要なこともあるでしょう。ちなみに、筆者は、毎年、健診を受けているにも関わらず病気が見つからず、症状が出たときはすでに遅く緊急入院の事態となってしまいました。ですから、健康保険の健診ではパワー不足と考えるなら「人間ドック」でも、まめに診察を受けるのでもかまいません。
※生活習慣病とは、偏った食生活や過食、運動不足、喫煙などの好ましくない生活習慣を長く続けることで引き起こされる病気の総称。生命保険では、がん・脳血管疾患・心疾患・糖尿病・高血圧性疾患を5大生活習慣病と位置づけています。
メタボの兆しがないうちに医療保障をチェック!
メタボの主犯とされている「内臓脂肪型肥満」になると、糖尿病、脂質異常、高血圧が合併して発症しやすく、それに伴って動脈硬化が促進されることがわかってきています。これらの症状が軽い場合、生活習慣の改善や通院による投薬治療で対処できます。医療保険や医療特約に通院の保障がついていても、保障されるのは「入院給付金が支払われる入院の後、または前後の通院」です。つまり、メタボになって通院治療を受けても、給付金はもらえないということ。ですが、糖尿病が重症化したり、動脈硬化がすすんで急性心筋梗塞や脳梗塞、脳出血を引き起こして入院・手術が必要になると、医療保険などの効力が発揮されてきます。
メタボと診断されて通院による投薬治療を始めてからでは保険に入りにくくなります。なので、メタボの兆しがないうちに保険に入る、または、入っている人は見直してみることをおすすめします。メタボ関連の病気以外の病気にかかって入りにくくなることも考えられるので、遅くとも30代半ばまでには手を打ってくださいね。
今回は、医療保障のチェックポイントをご紹介します。それは、入院と手術の基本的な保障にプラスして、メタボ関連の病気に備えられる生活習慣病の保障を厚くするかどうか、です。
生活習慣病の保障を厚くするには、医療保険の場合、次のような方法があります。
●通常の医療保険に、生活習慣病特約をつける。
●特定の生活習慣病(5つ、7つなど商品で異なる)による1回の入院の保障日数が長い医療保険を利用する。
●5大生活習慣病による入院・手術の給付金が上乗せされる医療保険を利用する。
● がんや心疾患・脳血管疾患で所定の状態になると一時金が受け取れる特約をつける。
もちろん、生活習慣病の保障を厚くする必要はないと考えるなら、入院と手術の基本的な保障だけでもかまいません。保障を厚くすることによって保険料が割高に感じられることもあるので、その負担感と給付のバランスを考えて、なくてもいいと割り切ることも必要ですから。
ちなみに、メタボ関連の病気に限らず、病気にかかっていて通常の医療保険に入りにくい人には、引受基準緩和型の医療保険があります。今回は、これらの商品についてお話しするのが趣旨ではないので、このような商品ジャンルもあると触れるだけに止めておきます。
「健康管理もギャラ(給料)のうち」と考えて気を配って欲しいこと、メタボになる前に保険のことを考えて欲しいと思います。