前回は20代で加入する生命保険について、お話ししました。20代は病気にならないという思い込み。20代、特に独身だとなくなっても困る人がいないから生命保険は不要という誤解。そして、病気になった時にお金がかかるという事実。
今回は、では20代はどんな保険に加入すればよいのかをお伝えします。
1.20代の死亡保障
20代で子どもがいれば別ですが、独身であれば残した家族の生活費等々を心配する必要はないので高額な保障は必要ありません。前回もお伝えしたように、大きな病気にかかり数か月治療を受けた場合に対応でき、葬儀代等にも残せる程度のお金があれば良いでしょう。
2.長期にわたり必要な金額を今から確保する
また、この金額は仮に60歳を過ぎても必要な金額です。すなわち、一生涯あって困らない金額です。まだ、貯蓄のない20代では保険が必要ですが、高齢時には十分な貯蓄ができていて殆ど必要がないかもしれませんし、その反対も十分に考えらられます。そこで、掛け捨てではなく、貯蓄性の高い終身保険であれば一生涯の基本の保障として、老後の資金としても活用できます。
3.保険は若いときだけ
2の終身保険の活用の他に、貯蓄を併用する方法もあります。10年もしくは20年の期間の生命保険、すなわち定期保険で保障を確保し、その期間内に死亡時にかかるであろう金額を積み立てます。貯金のない若いうちは保険で、しかし最低限のコストで並行し貯蓄を進め結果として現金で必要最低限の保障を確保する。かなり計画的な行動力が必要ですがこれが最も合理的です。
4.20代の医療保険の考え方
医療についても死亡保障と同じです。長期になると高額な医療保障も、20代から加入すれば月々の負担はかなり軽減されます。高齢時の保険料を先に払っているわけですから当然と言えば当然です。
掛け捨ての保険とはいえ、高齢時の保険料を若いうちから負担して先払いしている状況から考えれば、解約時の払い戻しがない(解約返戻金がない)掛け捨ての医療保険ですが、かなり資産性はあると考えていいでしょう。
若いうちは病気にならないから医療保険は不要と考えるのも間違いではありません。しかし高齢時になってからでは、加入前に病気になってしまい加入できなくなったり、月々の保険料が高額になるために加入を断念する人も少なくありません。
そんな想像ができるだけに、20代からの医療保険も検討に値するのではないでしょうか。
また、死亡保障と同じように、10年、20年の共済、もしくは医療保険に加入し、貯蓄で医療保障を確保するという方法も考えられます。
貯められない人にはやはり早目の終身医療保険への加入がベターと言えるでしょう。
5.20代のがん保険
かなりの普及しているがん保険です。20代でがんになることは稀ですが、やはりいつ何時ガンを宣告されるかはわかりません。若いときほど長引くのががんです。自分には関係ないというスタンスではなく、早め早めに手当てをしておく必要があります。考え方は医療保険と同様、お金を貯められる人は短期間の保険に加入し、お金を貯められない人は保険期間が終身のがん保険を検討してはいかがでしょうか。6.20代に入っておきたい保険
こんな意見があります。長期間の保険に加入してしまうのはお金の流動性が失われるからナンセンス。というものです。確かに、長期の保険に加入すると、保険から動かせなくなります(解約返戻金がある保険は別ですが)だから、短期の保険を繰り返していけと。
しかし、若いうちはいいですが、高齢時には更新型の保険は保険料が高額になります。そうなったとき、保険料を払えなくなり貯蓄もなければ、入院もできなくなります。
もし、そんな不安がよぎる場合は、固定化してもやはり長期の保険で少しづつ将来の支出に備えるという考え方もあるのではないでしょうか。