「家族が死を迎える時、どのような事に気をつけたら良いですか?」と質問を受けることがあります。出来るだけそばにいてあげることが大切であると思います。この瞬間はとても大切な時だと思っています。
縁ある人が死を迎える時は素直に「ありがとう」と言える時であると教わりました。船井オープンワールドで自宅介護を仕事にしている柴田久美子さんのお話です。彼女は隠岐で自然死を迎えるお手伝いをしている方です。病院でなく自宅で最後の瞬間を迎えるには意味があると言われるのです。それは意識のある方は最後に力をふりしぼって何かを伝えたいと言われるのです。これは相続の仕事をしている私にも経験上良くわかります。縁ある人の死を受け止め、これから自分がどう生きていくか自問自答する時だと教わりました。
柴田さんは御臨終の場面に立ち会うことも多いそうです。介護される方は、口もきけない場合でも、必ず目は何かを言っている事が多いそうです。「わかりますか?」「わかりましたら目で合図してください」というと目は閉じ、そして開かれるそうです。「皆応援してますよ。」「ありがとうございます。」この話しを聞き、私も仕事柄多くの似た体験を思い出しました。
映画の「大河の一滴」を見ました。三國連太郎さんが演じる伸一郎さんは半年の命と宣告されます。手術は断りました。彼は自宅で死んでいくことを選びました。それまでの日々を妻と娘に過ごしたいと思うわけです。彼は私たちに問いかけてくれました。人は皆大河の一滴であり、無数の他の一滴と共に大きな流れをなして確実に海へと下っていく。高い嶺を登ることだけ夢見てきた私たちに、彼はゆったり海へ下っていき、そのあと空へ還っていく人生を教えてくれたような気がします。
「理想的な死に方」(徳間書店)をお書きになった天外伺郎さんから、ヒンズー教の教えにマハーサマーディというのを教えていただいたことがあります。死期がわかると僧侶は皆に別れを告げて瞑想に入って死んでいくそうです。本来人間にはそんな力があるのかも知れません。目で家族に挨拶をして亡くなる方がいるのもうなずけます。これも病院で死を迎える場合はなかなか出来ないのも事実です。
自然死について考えさせられた講演と映画でした。
自然死を迎えられる人は幸運だと聞いております。家族は、その後故人の思い出を家族で語り、泣き、そして今後の生き方を考える、そんな場面を見るに付け、人間に生まれて良かったと思うのです。
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