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諸外国の相続税はどうなっている?

サッカーW杯ドイツ大会が6月9日から開催されます。諸外国の相続税はどう違うのでしょうか?政府の税制調査会の資料において、その違いを説明しています。

執筆者:天野 隆

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外国ではどのように課税されるのか?
サッカーW杯ドイツ大会が2006年6月9日から7月9日まで開催されます。このときはサッカーを通じて、お国柄の違いに気づく方も多いはずです。諸外国の相続税はどう違うのでしょうか?政府の税制調査会の資料においてその違いを説明しています。

相続税の課税方式は3つ。

■遺産取得課税方式。相続等により遺産を取得した者を納税義務者として、その者が取得した遺産を課税物件として課税する方式です。相続という偶然の理由による富の増加に担税力を見出して、相続人に課税することにより、富の集中の抑制を図るという考え方です。個々の相続人に対して、取得した財産の額に応じて、累進税率を適用します。この方式は遺産分割の仕方によって全体の税負担に差異が出ます。均分に相続したほうが相続税の全体額は減少します。この方式を採用しているのがドイツ・フランスです。

■遺産課税方式。遺産全体を課税物件として課税する方式です。被相続人の一生を通じた税負担の清算を行い、被相続人の生存に蓄積した富の一部を死亡に当って社会に還元すると言う考え方です。個々の相続人に対して、取得した財産の額に応じて累進税率は適用されず、財産の全体に累進税率が適用されます。この方式は遺産分割の仕方によって全体の税負担に差異が出ません。この方式を採用しているのがアメリカ・イギリスです。

■併用方式。遺産取得課税方式を基本として、当該方式のもつ税法としての欠点(遺産分割の仕方によって税負担に差異が生じる)を法定相続分課税の導入により解消しようとする考え方です。相続税の総額を出す時は法定相続分で取得したと仮定して、その取得した財産の額に応じて累進税率を適用します。その後実際の各自の相続取得分に応じて各自の税金が決まります。この方式は遺産分割の仕方によって全体の税負担に差異がほとんど出ません。(配偶者の税額控除の取り方で差異が出る場合があります)この方式を採用しているのが日本です。

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