相続・相続税/相続・相続税関連情報

遺言通りにならない?遺留分と遺言の明示(2ページ目)

遺留分とは、遺言自由の原則を認めつつ、これを制約する制度です。遺言でも侵せない部分です。遺留分の計算の基礎となる財産の範囲と遺言の明示のタイミングについてまとめてみました。

執筆者:加藤 昌男

  • Comment Page Icon

遺言の明示のタイミングは?

打合せ
遺言の明示のタイミングは?
遺言に「すべての財産は長男に」と記されておりました。遺言執行者もおります。そこで問題になるのが遺留分です。遺言でも侵せない部分を遺留分といいます。通常法定相続分の半分です。この遺留分をご長男以外の相続人が主張するかどうかです。相続のお手伝いをしていますと、遺言の存在をどの場面で明示したほうがいいかどうかのご相談がよくあります。ケースバイケースであることは間違いありませんが、幾つかの事例をご紹介していきましょう。

明らかにトラブルが起きそうなときは、出来るだけ早い機会に遺言の存在を明示します。明示しない理由が見当たりません。では明らかにトラブルが起きそうなときとはどういうときでしょうか?
1.兄弟姉妹が弁護士を伴って会いたいと言っている
2.本家の子供の配偶者もしくは長男を養子にするときに反対した人がいた
3.遺言を書き換えており前の遺言と大きな相違がある場合
4.今までも兄弟姉妹で大きないさかいがある場合
等です。この場合は、遺言を見て、遺留分減殺請求が高い確率で予想されます。

一方、もめるかもめないかが明らかでない場合、まずは話し合いから入ります。遺言は確かに存在しますが、全員の話し合いが整う場合には、遺産分割という道もあります。その際には、遺言の存在は言いますが、内容までは明示せず、話し合いの解決が出来るかどうかを探ります。他の相続人の意向も聞き、意見の相違の部分だけ遺言の意向を斟酌すると言う方法もあります。

遺言でも侵せない遺留分の意味とは?

ある弁護士さんは、遺言とは平等・自由・博愛の精神が入っているものと言われました。法定相続分は平等の精神です。御自分の財産は遺言で自由に処分できます。しかし、すべて自由というとそうではありません。子供には変わり無いので、遺留分という遺言でも侵せない領域を作りました。遺留分は通常、法定相続分の半分です。配偶者と子供2人の場合の子供の法定相続分は4分の1です。その半分の8分の1が遺留分です。これを博愛の精神と言われました。

関連リンク
遺言の効力、上手な書き方[All About 相続]
相続財産を分ける、遺産分割協議[All About 相続]
相続人・法定相続分とは?[All About 相続]
相続・相続税Q&A、無料相談[All About 相続]
【編集部からのお知らせ】
・「家計」について、アンケート(2024/11/30まで)を実施中です!

※抽選で30名にAmazonギフト券1000円分プレゼント
※謝礼付きの限定アンケートやモニター企画に参加が可能になります
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます