小規模宅地等の取り扱いについて最高裁で判決
この裁判は、土地区画整理事業の施行により、従前の土地に住めなくなり、さらに換地(代わりに与えられる土地)後の土地にも住めない状況にある場合でした。その状況の時に相続が発生しました。
小規模宅地等の特例(居住用)は、相続開始の直前に被相続人等が居住していることが適用受けるための前提条件です。さらに、取得者などの一定要件を満たせば、特定居住用として240平米まで80%減額が受けられます。また、その一定要件を満たさなくても、200平米まで50%減額になります。従って、相続開始の直前に居住していなければ、80%減額はもちろんのこと50%減額も受けられません。税務署側の解釈も、「住めない状況であっても住んでいなかったのならば、小規模宅地等の特例は受けられない。」と言うものでした。
相続人にとっては、個人的な理由で住んでいないのではなく、土地区画整理事業という公の理由によるものだから、特例を受けられないのはおかしいと考えて裁判を起こしたものと考えられます。相続人の側に立てば当たり前と言えば、その通りかもしれません。
判決では、換地中における、居住用に供することが出来ない事情を最高裁が認めました。居住用となれば、小規模宅地の評価減が出来ます。相続税の計算上、この影響は大きなものがあります。