相続・相続税/相続税対策

相続税対策でのアパート建築のデメリット

建築会社から「将来の相続税対策になるから、駐車場にアパートを建てないか?」 と提案がありました。どのようなデメリットがあるのでしょうか?具体的に教えてください。

執筆者:清水 真一郎

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Q.建築会社から「将来の相続税対策になるから、駐車場にアパートを建てないか?」 と提案がありました。相続税対策でのアパート建築のメリットはよく分かりました。一方で、どのようなデメリットがあるのでしょうか? 具体的に教えてください。

A.アパートを建てると4つのデメリットがあります。そのデメリットを検証してみましょう。
 

デメリット1 キャッシュフローが厳しくなります

デメリットをまとめました。

デメリットをまとめました。

キャッシュフロー(資金繰り)が厳しくなります。建築資金が自己資金なら問題はないのですが、借入をしてアパート建築をすると、入ってくる家賃が借り入れの返済に充てられ、家賃収入で増えた税金(所得税・住民税)を払えなくなることがあります。

言い方を換えれば、税金が増えて、その税金を払った後の残りの資金で借入の返済をしなければいけません。例えば、所得(収入-経費など)が1800万円を超えると所得税・住民税の合算税率は50%になります。この場合2000万円所得が増えると、税金が1000万円増加します。借入金の返済は、税金を払った後の資金です。つまり、1000万円の返済資金を作るためには2000万円の所得が必要になります。これでは、「収入の割にはお金が貯まらない!」ということになります。建築会社の提案には、キャッシュフロー表まで付いていないことが多いので注意が必要です。
 

デメリット2 修繕費と空室リスク

アパート経営の最大のリスクは、時の経過と共に発生する修繕費と空室です。「建物が新しいうちは良いのですが、古くなってくると修繕費が結構かかります」(賃貸経営者の声)。また、空室が続くと借入の返済が出来なくなります。「空室にならないように家賃保証を付ければ、収入が減る」「その保証も同じ条件でいつまで続けてもらえるのか?」「返済が出来なくなり、物件を手放さなければいけなくなった」という話も随分聞きました。

デメリット3 売却が難しくなります

空き地よりも、アパートの敷地の方が、売却が難しくなります。理由は買う人にとって、賃借人がいる土地は、取り壊し等に制限が出てくるからです。相続税の納税で、あるいは借入の返済で、売却しなければいけなくなってしまったときに困ります。

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