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兄弟なのに割合が異なる遺産分割は違法?

法定相続分で決めない遺産分割は違法だと聞きました。裁判所の審判では、どうなるのでしょうか?実際には、どのように行なわれているのでしょうか?実務を解説します。

執筆者:天野 隆

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分割の規準は法定相続分か?
(質問)
父に相続が発生しまして、これから兄弟姉妹で遺産分割協議を開始します。聞くところによると、法定相続分が基本で、その他の分割基準では難しいと聞きましたが本当でしょうか?

(回答)
ほとんどの遺産分割協議は、話し合いです。その際は、法定相続分とは別なやり方で、遺産分割協議は決まっていきます。一方、法定相続分が適用されるのは家庭裁判所で解決せざるを得ない場合です。今回は遺産分割の規準について整理してみましょう。

遺産分割の基本ルールは…

民法900条では法定相続分を定めています。いわゆる兄弟姉妹は均分に相続するというものです。

また、遺産分割の規準は、民法906条にこう書いてあります。「遺産の分割は、遺産に属する物または権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする」。これは分割を行う際に、諸般の事情を考慮しつつ分割を行うという分割の指針を示したものと言われています。

家裁の審判では法定相続分で決まる

では、一切の事情を考慮して、民法900条以下の法定相続分を変更する内容の審判は可能かどうかという疑問が出てきます。「審判が裁判所でなされる以上、法定相続分に従わなければならず、それを無視した分割審判は出来ない」(基本法コンメンタール4版相続:日本評論社:松川正毅・島津一郎編:P95)というのが通説であります。つまり家裁に遺産分割が持ちこまれ、当事者同士で和解をしなければ、法定相続分で決着ということになります。

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