打合せ
仲の良い家族でも相続でもめる可能性があります。どんな場合に争いが起こるのでしょうか?
縁起でもないとお叱りを受けそうですが、しばし自分が天国に行った後のことを考えてみたいと思います。その時、一番つらいのは、残してきた子供たちが互いに争っている場合ではないでしょうか? 出来れば、相続のときに子供たちが争わないよう準備しておきたいものです。

子供に対する「親の無関心」に注意!

では、どんな場合に争いが起きるのでしょうか? 私の経験では、子供たちがもめる主な原因の一つに、ある子供に対する「親の無関心」にあることが多いようです。生前、親が無関心であった子供が、遺産分割協議のときに過激に発言してくるのです。 

例えば、「兄さんはあんなに面倒をみてもらったのに。私は全部自分でやってきた。面倒をかけてない。よって財産をたくさんもらって当然」などという言葉を耳にすることがあります。つまり愛情不足に苦しんでいた子供が、相続のときにお金等で埋め合わせをしようとするケースです。一人が感情的になりますと、なかなか収まりがつかなくなることが多いようです。売り言葉に買い言葉となり、互いに聞きたくない台詞を聞くことになります。

生前の配慮で相続がスムーズに

こんなケースがありました。ある開業医の父親には2人の息子がいました。自分の死後を考えたとき、後継者で医師である長男には、病院施設、患者、家屋などを相続させることができます。しかし、次男には大して遺すものがありませんでした。そこで、この父親は、次男を受取人とした生命保険に入るとともに、日頃から次男にも関心をもって接してきました。親戚を含めて周囲が全員医者であるのに、自分が医者でないことにコンプレックスをもっていた次男は、父親が長男と同じように愛情を注いでくれることに、感謝の気持ちをもてるようになりました。

数年後、父親が亡くなり、相続が発生しましたが、遺産分割協議はスムーズに進みました。次男は、「私は兄貴と違って医者にはなれなかったが、親父には本当に世話になった」と涙を流したのです。自分に対して配慮してくれた人が亡くなった後に、その財産をめぐってトラブルを起こす人は少ないようです。こうしてみると、「遺産分割協議は、被相続人の死によってはじまるものではない」と言えるかもしれません。