相続・相続税/相続・相続税関連情報

相続時精算課税で子が先に死亡した場合(2ページ目)

相続時精算課税の適用を受けていて、親が死亡した場合には、贈与財産を相続財産に加えて、相続税を計算します。しかし、親より先に子が死亡した場合にはどうなるのでしょうか? 事例を基に紹介します。

執筆者:天野 隆

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その後、Aさんが死亡

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Aさんが死亡した場合にはどうなる?
Bさんの死亡後、平成20年3月にAさんが死亡しました。Aさんの遺産は、Bさんへの前述の贈与財産を含めて6億円でした。相続人は、Bさんの子Dさん(Aさんの孫)1人です。(Aさんの配偶者は既に亡くなっています。子であるBさんの配偶者Cさんは、Aさんの相続人ではありません。)

Dさんは、Aさんが死亡した日から10ヶ月後までに相続税の申告が必要になります。相続税は次の通りです。

Aさんが死亡した場合の相続税

Aさんが死亡した場合の相続税。既に死亡しているBさんへの贈与財産に対する課税と納税(下記2~4)がポイントです。相続時精算課税適用者であるBさんが死亡したとき、その配偶者Cさん及び子のDさんが相続時精算課税の適用に伴う権利と義務を承継することになります。

・遺産6億円(相続時精算課税適用財産の3,000万円を含む)
・法定相続人 Dさん1人(基礎控除6,000万円=5,000万円+1,000万円×1人)

1.相続税の総額を計算
(6億円?基礎控除6,000万円)×50%?4,700万円=2億2,300万円(相続税の総額)。

2.相続税の総額をDさんと既に死亡しているBさんに按分
Dさん:2億2,300万円×5億7,000万円/6億円=2億1,185万円(Dさんが納税)
Bさん:2億2,300万円×3,000万円/6億円=1,115万円(下記3へ)
ここに亡くなったBさんが入るのがこの計算を複雑にしています。

3.Bさんの相続税から相続時精算課税贈与税を控除
1,115万円?100万円(相続時精算課税の贈与税額※)=1,015万円(下記4へ)
※3,000万円の贈与を受けたときの贈与税

4.Bさんの相続税をCさんとDさんに分けて、それぞれが納税することになります。この相続税をどう負担するかがポイントです。これを法定相続分で負担するというのが税法で決められています。
Cさん:1,015万円×1/2(法定相続分)=507.5万円(Cさんが納税)
Dさん:1,015万円×1/2(法定相続分)=507.5万円(Dさんが納税)

先に亡くなったBさんの配偶者Cさんと子のDさんは、後に亡くなったAさんの相続税を上記のように負担することになります。

関連リンク
相続税を計算する[All About 相続・相続税]
贈与税、相続時精算課税とは?[All About 相続・相続税]
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