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相続時精算課税で子が先に死亡した場合

相続時精算課税の適用を受けていて、親が死亡した場合には、贈与財産を相続財産に加えて、相続税を計算します。しかし、親より先に子が死亡した場合にはどうなるのでしょうか? 事例を基に紹介します。

執筆者:天野 隆

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子の死亡に係る手続きはどうなる?
相続時精算課税の適用を受けている子(贈与を受けた人)は、親(贈与者)が死亡した場合には、相続時精算課税の適用を受けた財産を相続財産に加えて、相続税を計算します。しかし、親より先に子が死亡した場合にはどうなるのでしょうか? 本来子がするであろう親の相続税の負担を誰がするかといった問題が発生します。事例を基に紹介します。

Bさんが死亡

Bさんは、平成18年1月に相続時精算課税の適用を受けるつもりで、父親Aさんから3,000万円の贈与を受けました。しかし、Bさんは、相続時精算課税の適用を受けるための相続時精算課税選択届出書を提出する前(平成19年1月)に死亡しました。

Bさんの遺産は、贈与を受けた3,000万円を含めて4,000万円でした。Bさんの相続人は妻Cさんと子Dさんです。Cさんは遺産のうち2,500万円を相続し、Dさんは1,500万円を相続しました。そして、3,000万円の贈与について相続時精算課税の適用を受ける手続きをしました。

Bさんの死亡に伴う贈与税と相続税

Bさんの相続人のCさんとDさんは、Bさんの権利と義務を引き継ぎますので、死亡した日から10ヶ月後までに、Bさんの贈与税の申告が必要です。その際、相続時精算課税選択届出書を提出すると相続時精算課税の適用を受けることが出来ます。贈与税は次の通りです。
(3,000万円?2,500万円)×20%=100万円(相続時精算課税の贈与税額)

ちなみに、相続時精算課税選択届出書を提出しないと、通常の贈与(暦年課税贈与)になります。贈与税は次の通りです。
(3,000万円?110万円)×50%?225万円=1,220万円(暦年課税の贈与税額)

一方、相続税については、遺産が相続税の基礎控除※7,000万円以下であるため申告は不要です。
※7,000万円=5,000万円+1,000万円×法定相続人の数(この場合2人)

これでBさん死亡の分の税金の申告は終了となります。難しくなるのはその後Aさんが亡くなった時の税金です。

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