3500万円までの非課税枠は大きい |
3500万円まで贈与税はかからない!
さて、もう一つの特例である相続時精算課税制度における住宅資金の特例は、親(年齢制限なし)から20歳以上の子への住宅資金の贈与であれば、3500万円まで贈与の段階では課税されません。この額はすごいですね。もらえる人がうらやましいです。ただし、大きな注意点があります。この制度は、将来相続が発生した際に、相続財産の計算上、贈与した金額を一旦相続財産に戻して相続税が計算されます。もちろん、将来の相続の段階でも税金がかからなければ、贈与を受けたお金には一切税金がかからないことになります。
現在の相続税の基礎控除(=相続税がかからない限度額)は、
法定相続人の人数×1000万円+5000万円
(4人家族のお父さんが亡くなった場合は8000万円)
なので、相続財産の合計がこの範囲内であれば相続税はかかりません。相続時点の親の財産と、もらった金額を合わせても基礎控除の範囲内なら、完全に非課税です。
将来の相続税がどうなるかは現時点では予測不可能
しかし、ここでも注意が必要なのは、相続税の基礎控除は、将来的に変更される可能性が非常に高いという点です。これまでも、昭和63年、平成4年、平成6年と、相続税の基礎控除は変更されてきています。今後の方向性としては、基礎控除は多少なりとも引き下げられることが予想されているので、現在の制度に基づいた試算をしても、相続時精算課税制度については、実際に相続が発生したときの税制がどうなっているのかによって、有利か不利かが変わってくるのです。次ページで解説します。