もらえるものは、もらってOK |
しかし、お金が貯まるまで我慢をしなくてもすむ方法があります。それが、足りない分を「もらう」という方法です。
他力本願といえばそれまでですが、安全な住宅取得のためにも、もらえるものはもらうべきです。住宅取得資金の贈与は、頭金準備のウルトラCともいえるものでしょう(「ウルトラC」って死語ですかね?)。
住宅資金の贈与には税制上の優遇措置が2つある
現在、住宅取得資金の贈与に関する税制上の特例は2種類あります。一つは、従来からあった「住宅取得資金等の贈与の特例」で、もう一つが平成15年から登場した「相続時精算課税制度における住宅資金の特例」です。ともに平成17年末までの贈与が対象という時限措置で、平成18年3月15日までの入居が確実でないと利用できません。したがって、これから新築のマンションを申し込もうとしている人は間に合わない可能性があります(ただし、これらの制度の適用期間が延長されれば利用できます。相続時精算課税制度の特例のほうは延長されるかも)。
5分5乗方式の特例
従来からの贈与の特例は、贈与税の計算において5分5乗方式が使えるというもので、簡単に言えば、贈与税の基礎控除(年間110万円)を5年分先取りできる制度です(贈与金額1500万円までが5分5乗方式の対象)。その結果、550万円までなら贈与税がかからないため、夫婦それぞれが贈与を受ければ、合計1100万円まで実質非課税となります。さらに、この特例の要件である父母、祖父母からの贈与というところをうまく利用すると、自分たちの子供が自分たちの親(子供からみると祖父母)からお金をもらうこともできます。
仮に、夫婦と子供2人という4人家族が夫と妻の両親からそれぞれ贈与を受ける場合、最大2200万円(=550万円×4人)まで実質非課税になるのです。これは単なる節税効果だけでなく、孫への贈与ということで相続を1回飛ばせる(「親→子→孫」ではなく、「親→孫」というかたちになるなので、「子」を飛ばせる)ことや、借入金額を少なく抑えることによる利息負担の軽減効果などを考えると、その効果は絶大だといえるでしょう。
ただし、この特例を家族4人でフル活用するには、2人の子供にも住宅の持分を分けなければならないので注意が必要です。
【その他の主な要件】
■父母もしくは祖父母からの1,500万円までの金銭による贈与
■もらう人のその年の所得が1,200万円以下であること
■住宅の購入・新築・増改築のための資金(土地のみはダメ)
■住宅の床面積が50平米以上。
■贈与を受けた翌年の3月15日までに入居することが確実であること。
■確定申告をすること。
■平成17年末までの贈与であること。
注:この特例を平成15年1月1日以降に使うと、その後5年間は相続時精算課税制度が使えない。
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