住宅購入のお金/住宅購入とライフプラン

買い替えの資金計画は注意点がいっぱい!(2ページ目)

住宅の買い替えは、グレードアップが容易だった時代もありましたが、現状は売却後にローンが残り、さらに上乗せしてローンを組むようなケースが散見されます。買い替えには何よりもまず慎重さが求められます。

菱田 雅生

初めてのときよりも返済期間を長くできない

40歳前後で35年返済は危険!
これまでの住まいの売却代金で返済中のローンの残高をなくすことが精一杯だと、新しい住宅を購入する資金計画は、頭金が少なく、目一杯ローンを組むような資金計画になってしまうことでしょう。

場合によっては、売却代金ではローン残高をゼロにすることができず、新しく買う住宅用のローンを多めに借りることで、ようやく前のローンを相殺できるようになるケースもあります。たしかに、一定の条件をクリアできれば、「買い替え専用ローン」などを利用することができるので、そういう買い替えも不可能ではありませんが、確実に返さなければならないローンが増えてしまいます。

とくに、買い替えをするということは、はじめて住宅を購入するときよりも確実に年をとっているわけですから、返済期間を超長期で組むことは難しくなります。条件としては35年返済などを利用できる基準を満たしていても、30歳代後半または40歳代以降で35年返済を利用することの危険性は、あえてここに書かなくても容易に想像できるはずです。

買い替えでグレードアップは難しい?

したがって、住まいの買い替えは、はじめて買うときよりも慎重かつ冷静に資金計画を練り、将来の教育資金や老後資金のこともきちんと考慮しながら、無理のない計画で実行に移すことが重要だといえるでしょう。

いまの時代、昔のように買い替えで住まいのグレードアップを図ることは非常に困難になっています。よほど収入が増加するか、手元に多額の資金がある状態にならない限り、買い替えによるグレードアップを安易に実行するのは危険です。

「買い替え専用ローン」や、買い替え時に利用できる「譲渡損失の繰越控除」、「住宅ローン控除」など、専用のローン商品や税制の優遇はありますが、それだけで買い替えを検討すべきだというほど大きな特典が受けられるわけではありません。

繰り返し書きますが、買い替えは「慎重に!」。これに尽きます。



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