買い替えのほうが慎重になるべき要素が多い
景気回復などによって住宅の買い替え需要も膨らんでいる? |
最近、このような理由で住まいの買い替えを検討しているというお客さまの相談が増えました。もしかすると、いま、住宅の買い替え需要が高まってきているのかもしれません。
日本経済全体にとっては、はじめての購入か買い替えかにかかわらず、住宅の需要が高まるのは歓迎すべきことです。しかし、住宅を購入する人にとっては、はじめての購入と買い替えとを比較した場合、買い替えのほうが慎重になるべき要素はたくさんあります。
では、なぜ買い替えのほうが慎重になるべきなのか、注意すべきポイントをみていくことにしましょう。
値上がり益はまず期待できない
まず、住宅を買い替えるということは、現在の住まいを売却して、新しい家を購入することになるわけですが、その際、現在の住まいを売却すると、多くのケースで損失が発生するという現状があります。その昔、土地神話などが信じられていた時代は、自宅を売却すると値上がり益を得ることができたため、売却代金でローンを全額返したうえにおつりがもらえるような状態でした。おつりを頭金にして、これまでの住まいよりも大きな家を購入する。そして一定期間住んでまた売却し、おつりをもらってさらに大きな家を買う。そんな住まいのグレードアップが普通にできた時代もありました。
しかし現在の状況は、一部で土地の値段が上がり始めたとはいえ、住宅の価値も含めた価格が購入時よりも上がっているケースは、ほとんどありません。つまり、売却価格でローンを返すことはできても、よほど当初の借入金額を少なくしていない限り、売却時にたくさんのおつりをもらうことはほぼ不可能なのです。
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