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《新着News 05.10》 主翼先端の“小さな翼”

成田空港に先日、グアムから来たちょっと変わった航空機が舞い降りました。──航空業界の最新動向を伝える「エアライン・ホットニュース」。05年10月号は、コンチネンタル航空と全日空に関するレポートです。

執筆者:秋本 俊二

── 今月のニュース・ラインナップ ──
【News 1】 コンチネンタル航空の新しいシンボル──ウイングレット
【News 2】 エコノミークラスを“進化”させたANAの新シート



《News 1》
コンチネンタル航空の新しいシンボル
空に伸びる青い翼──ウイングレット


05年9月30日の午後、グアムから来たコンチネンタル航空(CO)の新しい航空機が成田空港に舞い降りました。その航空機とは、ボーイングの次世代小型機として評価の高い737-800型機です。B737-800なら他のエアラインでも使用しているし、別に新しくもないじゃない!──そう思う人もいるかも知れません。では、下の写真をご覧ください。何かお気づきですか? 違うのは、そう、主翼の先端部分です。

コンチネンタル航空機
コンチネンタル航空のB737-800型機。翼先端で空に向かってピンと伸びているのが「ウイングレット」です。
翼の先端に“もう一つの翼”が空に向かってピンと伸びているのがわかりますか? これは飛行中の空気抵抗軽減を目的に装着される「ウイングレット(主翼端翼)」と呼ばれるもの。飛行機の主翼は上面を速い速度で、下面には遅い速度で空気が流れることで負圧が生じ、これが揚力となって機体を浮き上がらせます(ガイド記事「飛行の理論はスプーン実験で納得」参照)。ところが翼の先端部分では、下から上へ空気が逃げ、空気抵抗の原因ともなる“翼端渦”が発生してしまう。そこで威力を発揮するのがウイングレットです。ウイングレットは翼端渦を拡散させると同時に、その渦の気流を前向きの揚力(推力)に変える働きがあり、その結果消費燃料を3~5%程度節約することが可能になります。

コンチネンタル航空は消費燃料の軽減をめざし、05年度より使用機材へのウイングレット装着を進めてきました。2006年春までには、保有するB737-800型機92機とB737-700型機36機すべてに装着を完了させる予定です。今回成田に飛来したのはグアム発成田行き006便で、これがウイングレット装着機の日本初就航となりました。

写真では小さく見えますが、実際のウイングレットは高さが2.49メートルもあります。コンチネンタル航空関係者は「ウイングレットの装着で節約できる燃料は、737-800型機1機当たりで年間30万リットルに達する」と予測。B737-800型機は現在、主に日本国内の8空港(新千歳、仙台、新潟、成田、名古屋、岡山、広島、福岡)とグアムを結ぶ路線で使用され、ウイングレット装着機は成田以外の空港へも順次就航する予定です。

空に向かってピンと伸びる、主翼先端の小さな翼──ブルーに塗装されたウイングレットは今後、コンチネンタル航空の新しい“個性”の一つになりそうですね。

  ≫≫≫ つづいてエコノミークラスを“進化”させたANAの最新ニュース
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