インフルエンザ桿菌(Hib)
インフルエンザ桿菌の電子顕微鏡の写真です。このように細長い形をしています(第一三共提供)
この菌で、
- 気管支炎・肺炎
- 副鼻腔炎・中耳炎
- 喉頭蓋炎(ノドが腫れて、息がしにくくなる病気)
- 髄膜炎
- 敗血症(細菌が血液に侵入して、全身に広がる)
髄膜炎
脳の周りをおおっている膜である髄膜(ずいまく)に炎症が起こります。脳に近く、脳炎を起こすこともあります。発熱や頭痛、嘔吐、けいれんなどの症状があれば要注意です。しかし、これらの症状は、風邪や胃腸炎などの症状に似ていますので、早期診断が難しいのです。Hibによる髄膜炎は、生後3ヶ月から5歳までに多く、特に2歳未満が最も多いです。全国調査などから毎年約600人の方がHibによる髄膜炎になっています。髄膜炎全体ももっと多くなります。
治療は、抗生物質を大量で長期間使用します。最近は、抗生剤に効かない耐性菌が増えていますので、治療が難しくなっています。早期診断・早期治療ができたとしても、死亡例や後遺症を残す場合もあります。全体的には、死亡率は約5%、後遺症が約25%見られます。後遺症は、耳が聞こえない聴覚障害、発達が遅れる発達遅延、脳の中で髄液がたまる水頭症などです。
参考 子供の病気 「髄膜炎の原因・症状・検査」
「髄膜炎の治療と合併症、そして予防」
治療が難しくなり、重篤な後遺症が残るHibによる髄膜炎を予防するためにワクチンがあるわけです。
インフルエンザ桿菌(Hib)ワクチンとは
Hibワクチン(アクトヒブ)です(第一三共より写真提供)
副作用としては、打った接種部位の腫れ、赤み、しこりや発熱などですが、数日のうちに消えてしまいます。
Hibワクチンのスケジュールと負担費用については次ページで。