貯金300万円から何年で1000万円達成できる?
貯金300万円達成からどのぐらいの期間で1000万円に到達するのか、3つのプラン別にFPの藤川太さんにシミュレーションしてもらいました。
プラン1では300万円全額を安全商品に預けます。プラン2とプラン3では300万円のうち100万円を安全商品に、200 万円を投資商品に振り分けますが、プラン2では投資商品の期待利回りを3%とし、プラン3ではもう少し高いリターンを狙って5%とします。
さらに、3つのプランとも月5万円ずつ自動積立定期預金を続けていくこととします。
さてどうなるでしょう? 安全商品(例として0.5%で運用)のみでも12年後には達成しますが、目標利回り3%だと11年、5%で運用できればなんと10年後に1000万円達成となります。投資資金は人それぞれで異なりますし、あくまでシミュレーションではありますが、こんな資産配分にするといつごろ1000万円に到達するんだなという、およその感触はつかめると思います。
ポートフォリオは定期的にメンテナンスを
なお、投資資金のポートフォリオは定期的にチェックのうえ、必要に応じてメンテナンスを。「時間の経過とともに、値動きにより当初の資産配分が崩れていくので、年に1度など定期的にチェックしましょう。大幅に配分が崩れた場合には、一部の商品を売買して調整する必要があります」(藤川さん)
ある程度値上がりしたら利益を確定することも大事
また、ある程度値上がりしたときには売却して利益を確定することも大事。「過去を振り返ってみると、規模の大小はありますが数年に一度は経済危機が起きています」(藤川さん)。2005年以降を思い返してみても、06年にライブドアショック、07年にサブプライムショック、08年にリーマンショック、10年にギリシャ危機…。経済危機に見舞われると株価をはじめとした資産価値が暴落し、せっかく投資で増やしてきたお金がガクンと減ってしまうおそれがあります。損失を回復するために、時には何年間も費やしてしまうことも…。
「個人の資産形成の方法として、よく長期投資がすすめられていますが、これは一度買ったらずっと持ち続けるという意味ではなく、長期間投資へのチャレンジを続けるという意味だと解釈した方がいい。買ってからずっと持ち続けているだけでは、いずれ暴落に見舞われてしまいます。暴落による損失を避けるには、ある程度値上がりところで売却して、利益を確定する習慣をつけるのが効果的です」(藤川さん)
2010年のギリシャ危機以降は目立った経済危機は起きていません。冒頭でFP藤川さんがお話ししたとおり、最近まではよい環境が続いてきました。しかしそこから先はリスクが高まるかもしれません。今後経済危機が起こるかもしれないと頭の片隅に入れながら、利益確定のタイミングを狙いましょう。
また、投資商品だけではなく安全商品についても、満期が訪れたらその時点で有利な商品への預け替えを検討するべきでしょう。
いかがでしたか?1000万円達成までには、おそらく山あり谷あり。手持ちの投資商品が一時的に大きく値下がりしたり、思わぬ出費によりペースダウンすることもあるかもしれませんが、1000万円のゴールを強くイメージして諦めずに進めば、金持ちサラリーマンも夢ではありません!
取材・文/萬真知子 監修/藤川太(ファイナンシャル・プランナー)