コータオアシナシイモリの基本情報
撮影協力:WILD MONSTER
学 名:Ichthyophis kohtaoensis 別 名:-英 名:Koa Tao Island Caecilian, Yellow-striped Caecilian 分 布:タイ、ラオス、カンボジア東部、ミャンマー、ベトナム全 長:20-28cm
黄色いストライプがよく目立つ無足類の一種です。
無足目は、カエルの仲間(無尾目)、イモリやサンショウウオの仲間(有尾目)に並ぶ両生類3番目のグループです。日本語では一般にアシナシイモリと呼ばれます。
有尾目が比較的冷涼な地に発展したのに対して、無足類は世界中の熱帯を中心に180種程度が知られていますが、未だによくわかっていないグループでもあります。
すべての種類に四肢がなく環帯が発達しているためミミズによく似ています。目も皮下に埋没していて痕跡的です。その代わりに多くの種で触手を持って、これによって外界の情報を得ることが多いようです。大きさはさまざまで中には150cmに達する大型の種類も存在しています。
地中性種と水生種があり、すべて肉食性です。繁殖生態はさまざまで4分の1が卵生、4分の3は胎生であることが知られています。卵生種ではメスが卵を抱えて守る行動が知られていて、胎生種では体内で孵化した幼生が、メス親の体内の卵管の内壁を食べることが知られています。また最近の研究では、卵生の種類も孵化した幼生がメス親の体表を食べて育つ種類がいることがわかりました。
本種は、タイのタオ島(タイ語でコー・タオ)で発見され記載された種類です。
黒紫色の体色に黄色いストライプが目立ち、海外では美しい種類である、ということで高く評価されているようです。
地中性の種類で、湿地周辺などの湿った環境に生息しているようです。特に雨期には森林のリッター層あたりという比較的浅い場所で生活をすることが知られています。
繁殖生態は卵生で、メスは32-58個の卵を産み孵化までの期間、とぐろで巻いて守ります。
本種に限らず無足目は、決して一般的に知られているわけでもなく、さすがの両爬ファンたちの中でも、このグループのファンというのは少数派です。
しかし、なんと言っても異形中の異形であることには間違いなく、多様な生態であることが多い両生類のご多分に漏れず、本グループもまた意外に、変わった生態である場合があり、注目されているグループと言えます。
ただし、特に地中性種は潜りっぱなしですので、飼っていて楽しい生き物かと言えば、決してそうではありませんから、やはりこれからも一部の熱狂的なファンにのみ支持され続けていくグループでしょう。そういうわけで、需要が少ないことから流通も少なく、種類に限らず入荷したら、即完売という例も多く、興味がある方は、見つけたら即ゲットするべきです。
ちなみに、よく一般の方から「この前、山で青っぽくて、細長い生き物を見つけた。これはアシナシイモリだろうか」というお問い合わせをいただくのですが、おそらくそれは日本の山地でよく見られる大型のミミズである「シーボルトミミズ」である可能性が高いと思われます。一応、まだ日本では無足類は発見されていませんので。
赤っ恥をかかない程度の知識
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頭部 |
コータオアシナシイモリの飼育方法
飼育容器通常は30から45cm程度のガラス水槽やプラケースでいいが、必ずしっかりとフタができるものを使う
温度
低温には弱いため、シートヒーターなどで25℃程度に保温する
照明
特に必要なし
床材
焼き赤玉土・水苔・ヤシガラ土・腐葉土など湿度を維持できる素材を10-20cm程度の厚さに敷く
容器内レイアウト
体を浸せる水容器とシェルターを設置する
餌
昆虫類でいいが、積極的に追いかけて食うわけではないので、頭をつぶしたコオロギを巣穴の入り口周辺に置くなどする。小さめのコオロギを放しておくと夜間に出てきて食うこともあるらしい
基本的な世話
いわゆる地中性が強い有尾類の飼育方法
- 皮膚病に注意
- 床材はときどき交換する
- 床材は厚めに敷く
- など
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