爬虫類・両生類/ヘビの飼い方

ネズミ年だから、北米駄鼠蛇!(3ページ目)

新年企画!今年の干支にちなんで「ラット」スネークのススメ!...ムリは承知ですとも、ハイ。

執筆者:星野 一三雄

種類参段・・・亜種

先に書いたようにコモンラットスネークは、いくつかの亜種に分かれていて、それがまた蒐集癖をくすぐります。と言うか、蒐集することが義務であるのがこの道です。
とりあえずは以下の5亜種に分けられています。

ブラックラットスネークElaphe obsoleta obsoleta
基亜種。分布はニューヨーク州から東海岸と中央部を通ってオクラホマ州までの広い範囲。
使い古しの写真でスミマセン
ブラックラットスネーク

非常に分布が広い亜種で、名前の通り全身に黒みが強いのが特徴。特に成長すると全身が真っ黒になるタイプも存在します。
比較的性格は温和な個体が多いとも言われています。
後述するように、さまざまな品種があるため、流通量は多いのですが、ノーマル個体の流通はまず見られません。

テキサスラットスネークE. o. lindheimerii
南東部のノースカロライナ州からフロリダ州、ジョージア州に分布する亜種。灰白色地に褐色のブロッチが入り、所々にオレンジ色の発色が見られます。
やや気が荒い個体が多いと言われています。確かに飼育していても首を持ち上げて咬蛇姿勢をとる個体が多いような気がします。
磁器のような質感がうまく出せません
テキサスラットスネークのリューシスティック

後述するように、白化個体であるリューシスティックが非常に多く流通していますので、もっとも流通量が多い亜種です。しかし、一方でノーマルの個体は流通するのは皆無です。運良く出会えた場合は即買いでしょう。

イエローラットスネークE. o. quadrivittata
名前からわかるように、全身が黄色からオレンジ色になる亜種です。分布域の南東部にあたるノースカロライナ州からフロリダ州、ジョージア州に分布しています。
成体の背面には、うっすらと4本の暗色のストライプが走っています。

アルビノ個体が流通することもありますが、ノーマル個体とともに流通量はあまり多くなく、探してもなかなか見つかりません。しかし美しいため、その魅力が認識され始めたのか、最近は人気が出てきて少数ながらも流通するようになってきました。

・エバーグレイズラットスネークE. o. rossalleni
フロリダ州の南部のエバーグレイズ周辺からフロリダ半島の先端部まで分布しています。
まさに完熟ラットスーク
エバーグレイズラットスネーク

体色はイエローラットと似ていてストライプもあるのですが、赤みが非常に強く、鮮やかなオレンジ色になる個体が多いようです。

ほとんどノーマル個体のみが流通しますが、その量はあまり多くありません。

グレーラットスネークE. o. spiloides
東南部のジョージア州、フロリダ州、ミシシッピ州からケンタッキー州に分布しています。
文字通り、地色が灰白色で黒色のブロッチが幼体の時のようにハッキリと残ります。
またもや使い古し。でも、かなり気に入っている写真であります
グレーラットスネーク

もっとも地味な体色の亜種ですが、モノトーン調の体色でファンも多く人気もあります。
これこそノーマル個体はほとんど流通せず、国内で見つけるのは至難の業でしょう。

これら亜種にこだわりを持つことこそ北米駄鼠蛇道の真髄です。それぞれの亜種を揃えることから始めましょう!

種類四段・・・地域個体群

さらに、コモンラットスネークにはいくつかの有名な地域個体群があります。

その中でも、以下の2つは、かつて亜種として扱われたこともある個体群です。

・ガルフハンモックラットスネーク
フロリダの北部にあるガルフハンモックという土地に分布するグレーラットスネークの地域個体群です。かつてはE. o. williamsi という亜種として分けられていました。
首のところの斑紋が特徴
ガルフハンモックラットスネークの幼体

幼体時に、斑紋がハシゴ状に背側面でつながるという特徴があります。
流通する場合にも「ガルフハンモックラットスネーク」と呼ばれて区別されます。

・デッカーラットスネーク
フロリダ半島の南端にあるキーズ諸島の個体群で、現在はイエローラットスネークの地域個体群とされています。かつてはE. o. deckerti という亜種とされていました。また生息地からキーズラットととも呼ばれています。
幼蛇の時は、コレと言った特徴は...ナイ!!デッカーラットスネークの幼体画像提供:EndlessZone
イエローラットほど黄色くはならず、何よりも全長が120cm程度まで、という小型の個体群であることが特徴とされています。

その他にも、ブラックラットの地域個体群で特に色が黒くなる、とかグレーラットの地域個体群で銀色っぽくなるとかなどもあるようです。

もちろん、北米駄鼠蛇道を行く者としては、この辺の地域個体群も確実に押さえておかなくては極められるわけなどありません。
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