爬虫類・両生類/両生類・爬虫類の飼い方

その9・餌(前編) 「エサ」こそ命

両爬飼育の一番楽しい瞬間は「エサ」を与えるとき。ところが意外に多いのが「どんなモノを食べるの?」という質問。今さらですが永遠のテーマ「エサ」のお話です。

執筆者:星野 一三雄

全国の両爬飼育を始めようと思っている皆さん、こんにちは。
「両爬飼育で何をしているときが一番楽しい?」
と両爬飼育を楽しむ方に聞けば、ほとんどは
餌を与えているとき
と答えてくれるでしょう。
どんな生き物だって飼育の最大の楽しみは、生き物たちの健康と成長を支える「餌」を与えるときです。
今回のコトハジメはズバリ「」についてです。ただ、とても大切な餌に関してですから、ちょっと特別編として2回に分けてお送りしたいと思います。


▼両爬飼育にとって餌とは?
餌を与えることは彼らの「生命」と「健康」そして「成長」を支えることはもちろん、基本的に飼育における世話の大部分を占めます。ところが、残念ながら両爬飼育自体がさほど歴史が深いものではなく、またあまりにも彼らの食性が多様なため、彼らにとって「最善の給餌」というのは、他の生き物たちのそれほど単純ではありません。
つまり「完全なる配合飼料」というのが両爬の場合は、現実的には「ない」のです。
もちろん、日本では養鰻飼料によるスッポンの飼育の実績がありますし、水生カメをはじめイグアナ・フトアゴヒゲトカゲ・リクガメ・ハコガメなど様々な配合飼料がありますが、多くの飼育者の方々は、それら配合飼料のみに頼った給餌はしていません。何種類も混ぜたり、サプリメントを使ったり、あくまでも補助的に使ったり...やはり両爬は飼育の歴史が浅いために、その分「野性」が薄れていないからでしょう。
両爬飼育の餌は「人間にとって都合がいい『配合飼料』ではなく、彼らが『望むモノ』」を扱うことになるのです。
それが苦手な「虫」であったとしても、「冷凍された哺乳類を解凍したもの」でも、新鮮な「無農薬の野菜」でも、彼らと同じ「両爬」でも、彼らが望むのならば与えていかなくてはなりません。それができないのならば飼わなくてもいいんですし。

▼一般的なルール
両爬飼育を始める方から相談を受けるとき、こんな事を言われることがあります。

「虫などの生き餌を与えることができないので草食の種類を飼いたい」

一般的には「餌の手間がかからない生き物はその他の世話に手間がかかる」というルールがあります。
例えば餌の扱いが「精神的に」比較的楽な「草食」のリクガメやイグアナなどは「大きい」「日光浴が必要」「給餌頻度が高い」などと飼育自体に手間がかかる事が多いのです。
逆にヘビみたいに比較的日々の世話が楽な生き物は餌の扱いが「精神的に」比較的苦であったりします。慣れれば楽なんですけどね。

▼こんな種類にはこんな餌
周知のこととは思いますが、あくまでも飼育初級者の方々向けですので、ここではどんな種類にはどんな餌を与えていくのかを説明しましょう。
また、これはあくまで私見なのですが、飼育に使う一般的な餌というのは彼らが「野性で食べているもの」には敵わないと思います。飼育されている彼らの立場に立って、言い換えれば我々人間の都合ばかりを押しつけるような事がないような餌を与えたいと思っています。
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