/犬の健康管理・病気・去勢・避妊

ノミとダニ予防で、病気も予防(3ページ目)

気温の上昇と共に虫達の活動も活発になってきました。犬と暮らす身としては、特に気になるのがノミとダニ。そこで、今回はノミとダニ予防のお話を。

大塚 良重

執筆者:大塚 良重

犬ガイド

ノミが関連する病気

草むらにダニが潜むことも
昨今では都心部でも見られるようになっているマダニ。草むらで遊んだ後には、念のためにチェックを。
ただ痒いだけでは終わらないのがノミ。場合によっては、以下のような病気と関連することがあります。

■ノミアレルギー性皮膚炎
ノミの唾液に含まれているハプテン(血が固まるのを防ぐ効果がある)という物質がアレルゲンとなり、アレルギー症状が出るもの。主に犬の背中から腰にかけて、また、耳や股の回りなどに赤いブツブツができて痒がる素振りを見せます。効果の高い駆除・忌避剤が出回るようになって、最近ではその発症も少しずつ減少しているようですが、注意たしたい皮膚炎の一つです。因みに、犬のうち約10%は、このノミアレルギー性皮膚炎になる可能性がある、という話もあります。

■貧血
ノミが吸う血の量は僅かですが、多数のノミに寄生された場合、特に子犬などは気をつけたいところ。

■瓜実条虫(さなだ虫)
人畜共通感染症の一つ。ノミが中間宿主になっていることがあり、幼虫時代に瓜実条虫の卵を食べることで感染力を持つことになります。そのノミが、誤って犬の口の中に入ると犬にも感染しますし、ヒトに対しても感染力がありますので、ノミを潰した手でものを食べるなどはしないようにしましょう。

■細菌などの二次感染
掻きこすことで皮膚が炎症を起こし、そこから細菌などが進入しやすくなることがあります。

ダニが関連する病気

ここでは、マダニ以外のダニも含めた病気をいくつか挙げておきます。

■バベシア症/関連:マダニ(フタトゲチマダニ、ヤマトマダニ、ツリガネチマダニなど)
マダニ(フタトゲチマダニなど)は、赤血球に寄生して、赤血球を破壊してしまうバベシア原虫の中間宿主となることがあり。以前は、関西以西で注目されることが多い病気でしたが、昨今では関東圏などでも感染例があるということです。

■ライム病/関連:シュルチェマダニ
シュルチェマダニはボレリアという細菌を運ぶことがあり。このダニは中部から北の山間部に多いとされますが、北海道では平地でも見られるそう。ヒトにも感染する病気です。

■ヘモバルトネラ症/関連:クリイロコイタマダニ
赤血球の表面に寄生して溶血性の貧血を引き起こす菌を、このダニが運ぶことがあり。

■アトピー性皮膚炎/関連:ダニおよびダニの排泄物や死骸など
ダニがアレルゲンの一つとなりうることはよく知られているとおり。遺伝に関係する部分が大きく、70~75%は4~5ヶ月の子犬期から3歳齢にかけて発症することが多いそうです。

■疥癬症/関連:ヒゼンダニ
ダニが皮膚にトンネルを作って寄生。ダニの唾液や排泄物などの刺激によって、顔や耳の縁、腹部、肘、足先などに激しい痒みを感じ、皮膚が分厚くなったり脱毛したりします。

■アカラス(毛包虫症、ニキビダニ症)/関連:ニキビダニ(別名、毛包虫)
本来は多くのイヌの皮膚に普通に住み着いているダニ。健康であれば問題ないものの、免疫力が低下したり、不適切な食事、また遺伝的背景、ステロイド剤の長期投与などがきっかけとなって異常繁殖してしまうことがあり。

■ツメダニ症/関連:ツメダニ
ツメダニが皮膚に寄生することによって激しい痒みを引き起こすもの。ヒトにも感染可能。

■貧血

何より予防を!

時には病気にも関連したり、それが私自身の健康へも影響を及ぼすことがありますので、まずは予防を心がけたいところです。ノミやダニの忌避・駆除アイテムには、スポットオンタイプ、首輪タイプ、錠剤、シャンプー、スプレー、電池式タイプ、アロマなどの自然派グッズなどいろいろありますが、愛犬に合うもの、状況に合うものを上手に使って予防に心がけましょう。

特に、スポットオンタイプは、ノミやダニそのものが付かないようにするタイプ、付かれても吸血することを阻止するタイプ、ダニにも効果のあるもの・ないもの、持続期間などその薬剤によって特徴が少しずつ違ったものがありますし、ワクチンを接種する時期と重なっている、何らかの薬を使用しているなどといった場合など、念のために動物病院でご相談なさるのが安全かと思います。

犬と暮らすようになって、綺麗好きになった、お掃除をこまめにするようになったという飼い主さんも多いものです。そして、こまめな愛犬の健康チェック。生活環境に気配りしてあげることで、愛犬をノミやダニから守ってあげましょう!

(参考文献)
「主要症状を基礎にした犬の臨床」デーリィマン社など




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