離婚/離婚を決意する前に

『できたら婚』の約束はトラブルのもと!?(3ページ目)

今や、第1子出生のでき婚による割合は全体の約1/4。でき婚とはいえ、うっかりできたケースもあれば、できたら結婚しようと約束していたケースも。しかしそれが原因でトラブルになることもあるので要注意!

岡野 あつこ

執筆者:岡野 あつこ

離婚ガイド

支離滅裂な主張に臨月のDVでとうとう別居―

心痛
まさかこんな展開になるとは思いも寄らず……
A美さんは夫が「裁判所でおまえが婚姻無効に応じれば金銭的にはちゃんとするから。でも子どもだけは生んでね。認知はしないけど」など言ってきても、あちらこちらで受けたアドバイス通り、とにかく赤ちゃんを無事に産むことが先決とばかりに相手にしませんでした。しかし、A美さんが言いなりにならないことに腹を立てた夫は臨月のA美さんに暴力をふるい突き飛ばしたのでした。

子どもができる前までは、「結婚してくれ」「おまえがいないと俺はダメなんだ」「俺の子どもを産んでくれ」「幸せにする」「おまえがいるから俺はがんばれる」などと言ってきたあの言葉は全部ウソだったの? そう夫に尋ねると夫は「おまえを喜ばせるために出まかせで言っただけ。本心からじゃなかった。口ではそう言ってたけど、おまえと結婚なんてする気はなかった。それなのに、おまえが勝手に籍を入れたからこういう問題になった」。

A美さんはその言葉を聞き、悲しいというよりもあきれ返ってしまい、何でこんな人の言葉を信じてこれまで関わってきてしまったのか?と、夫を恨むというより自分が情けなかったと言います。それをきっかけに別居。A美さんはその直後無事に出産。

婚姻無効の調停から審判離婚へ―ようやく決着

子どもが生まれると、夫は子どもが可愛くて頻繁に子どもの顔を見にA美さんのいる別居先マンションを訪れるようになりました。1年間この生活が続きA美さんは夫は心を入れ替えたのかも知れない。それならこのまま家族としてやり直すのがいいのかも知れない。そう思った矢先、夫は今さら婚姻無効の調停を申し立てたのでした。それから1年以上調停を行い再びあきれ返ったA美さんは離婚を主張。夫は相変わらず婚姻の無効を主張し話は平行線のまま。

最終的に裁判官が審判離婚を言い渡しました。裁判所としても婚姻の無効は認められないケースだと判断したわけです。A美さんは「私の見る目がなかったんです。でも、もう振り返りません。子どもとの生活のために前を向いて歩いていきます!」と言っていました。

やはり女性は妊娠すれば即母親ですが、男性はまず夫となり家庭を築き、次に父親となる心の準備をする必要があるのかも知れません。ですから父親→夫よりも、夫→父親の順番を守るに越したことはないということは言えます。現代、A美さんのように同居しているカップルが、子どもができたら入籍しようと約束しているケースも多いようですが、このようなトラブルにならないように、パートナーをしっかりみきわめ、さらによくよく話し合っておいたほうがよさそうです。

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