(index) ◇アロマで心理ケア ◇増えつつあるメディカル・アロマテラピー ◇アロマの治療が受けられる主な病院リスト |
■アロマで心理ケア
日本では医療として認められていないアロマテラピーですが、昨年あたりからアロマテラピーを治療目的で用いる病院が話題になっています。
もともとアロマテラピーは西洋で生まれ日本に伝わったものです。フランスでは医療の中でエッセンシャルオイルを使うことがありますが、日本では美容やリラクゼーションといった形で普及しました。しかしエッセンシャルオイルのもつ治癒効果は近頃、治療の一環に採用する病院が増えていることでわかります。
エッセンシャルオイルのもつ香りは心理面への効果が大変期待できるものです。そのため赤坂溜池クリニックや窓クリニックのように、心療内科や精神科でアロマテラピーは活用されています。他の科でも患者のストレスを軽減するために診察室にエッセンシャルオイルの香りを香らせたり、手術前に足にアロマトリートメント(マッサージ、タッチング)を行い、手術前の不安や緊張をほぐすことで実績をあげている病院があります。
また精神面と関係が深い、睡眠についても香りで改善した例があります。千葉県がんセンターのように、入院中のがん患者の部屋にラベンダーのエッセンシャルオイルを置いて眠りを促進し気分を落ち着かせたといった例があります。
■増えつつあるメディカル・アロマテラピー
メンタル面のケアだけにとどまらず実際の治療に用いている病院が増えています。中でも産科や婦人科は早くからアロマテラピーを採用し、今では比較的有名になってきています。 ヤナセクリニックや中山産婦人科クリニックなどといった産婦人科ではリラックス効果や鎮痛効果を安産に役立てたり、産後のケアにアロマトリートメントなどを行っています
近頃では産婦人科だけでなく、例えば、小児科がある八街こどもクリニックではアトピー性皮膚炎治療に独自ブレンドのエッセンシャルオイルを軟膏(クリーム)として用いています。また近藤ゆか耳鼻咽喉科のように外耳炎に湿布、アレルギー鼻炎に吸入などを行う例も。また成瀬整形外科では痛み、しびれ、神経痛などにアロマトリートメントを実践しています。
アロマテラピーは医療としては認められていないため、用いるエッセンシャルオイル(精油)は保険対象外になります。病院によっては病院側が負担したり、また患者負担でエッセンシャルオイルを購入しているのが現状です。
リラクゼーションという領域だけではなく治療領域へ。今後、医療機関でのアロマテラピーはリラクゼーション・アロマテラピーと共に、ますます普及すると思われます。
●赤坂溜池クリニック(内科・心療内科・精神科:東京都港区)
●矢追医院(婦人科・皮膚:東京都足立区)
●成瀬整形外科(整形外科:東京都町田市)
●近藤眼科台町クリニック(眼科:東京都八王子市)
●八街こどもクリニック(小児科ほか:千葉県八街市)
●中山産婦人科クリニック(産婦人科:埼玉県熊谷市)
●窓クリニック(心療内科・神経科・精神科:愛知県名古屋市)
●ヤナセクリニック(産科・婦人科:三重県津市)
●大和医院(産科・婦人科・内科ほか:大阪府大阪市)
●医療法人マックシール巽病院(内科・外科・整形外科:大阪府池田市)
●うきた病院(産科・婦人科・小児科・内科ほか:石川県金沢市)
●ターミナル整形外科(整形外科ほか:北海道札幌市)
--参考資料、文献--
『日本経済新聞』
『週刊朝日』(発行所:朝日新聞社)