アロマテラピー/手作りアロマコスメの作り方・使い方

ボディークリームを手作り!シアバター入りアロマクリームの作り方!

ローズウォーター・シアバター入りアロマクリームの作り方を紹介します。ボディクリームとしては勿論、ハンドクリームでもリップクリームでも肌だけでなく髪の保湿にまで使えます。精油と植物油をうまくブレンドして、ボディクリームを手作りしましょう!

橋本 裕子

執筆者:橋本 裕子

アロマテラピーガイド

手作りアロマクリームが肌の乾燥にオススメ!

アロマクリームの作り方!シアバター入り手作りクリーム

乾燥肌に悩むこの季節はしっかりとアロマクリームで保湿ケアをしましょう

乾燥肌が気になる季節は、体全体の保湿ケアが大切になってきます。かさかさの乾燥肌は、水分不足によって皮膚の保護膜の役割となる皮脂の分泌が不十分になることが原因で起こります。

そんな乾燥肌のケアには、「水分と油分」の両方を補うことが大切です。ローションで十分に水分補給をした後、オイルやクリームなどの油分で皮膚に保護膜を作り水分を逃がさずに保湿します。

市販の保湿クリームは、お値段もちょっぴり高め。体全体に使えばすぐに無くなってしまうので、自分で作れたらいいなあと思ったことはありませんか? 手作りアロマクリームなら、保湿ケアをしながら香りも楽しめるので、体も心も両方ケアが可能。

そこで今回は、乾燥肌の保湿ケアに役立つシアバター入りアロマクリームの作り方を紹介します。顔にも体にも使えて、水分と油分を両方補えるちょっと贅沢なローズウォーター入りのレシピです。精油も「ローズ」繋がりのブレンドでまとめました。香りにも使い心地にも癒される、本格派の手作りアロマクリームです。
 
シアバター入りアロマクリーム

本格的な使い心地のシアバター入りアロマクリーム

 
<目次>

シアバターを使った手作りアロマクリームとは?

シアバター

常温では固形である植物性脂肪のシアバター

最初に、今回のアロマクリームの主成分となる「シアバター」について説明します。

シアバターとは、シアーバターの木の種子から採られる植物性脂肪のこと。ホホバ油などの植物性オイルと違い常温で固形の物質なので、オイルではなく「バター」と呼ばれています。

融点が35度~36度なので人肌に塗ると体温でゆっくり溶けて体に浸透する性質を持っています。これが、乾燥してバリア機能が足りなくなった肌を、保護して保湿することにとても役立っているのです。

※融点とは、固体が溶けて、液体化する温度のこと

原産国であるナイジェリアやガーナでは、生まれたばかりの赤ちゃんの紫外線予防としてシアバターでケアをする風習があるそう。その他にリウマチや筋肉痛、脱毛などの療法的ケアにも使われています。

シアバターの成分には、オレイン酸が含まれています。オレイン酸は脂肪酸の中でも保湿力が高く揮発しづらい性質なので、髪や皮膚の健康維持に適しています。乾性油なので濡れたような状態にならずに髪を保護してくれる特徴から、ヘアワックスの材料としても使われています。

このようにシアバターは、安心して全身に使われている植物性脂肪です。また性質として、劣化に対して安定性がある特徴を持っているので、手作りアロマクリームの材料としてとてもおすすめです。
 

全身使える! シアバター入りアロマクリームの作り方

では、シアバター入りアロマクリームを作ってみましょう!
シアバター入りアロマクリーム材料道具

シアバター入りアロマクリームを作る材料と道具

■アロマクリームの材料と道具
※ アロマクリームの全体総量として60ml 作成します
(材料)
・シアバター 10g
・好みの植物油(ホホバオイル、スイートアーモンド油がおすすめ) 15ml(大さじ1)
・ローズウォーター 30ml
・お好みの精油 6滴~12滴(0.5~1%濃度)
・パーム乳化ワックス 3g(小さじ1)
・蜜蝋(みつろう) 2g(小さじ1弱)

(道具)
・クリーム容器 50ml
・ラベルシール
・ガラス棒
・泡立て器
・ゴムベラまたはバターナイフ
・耐熱用ビーカー 2個(大・小1個ずつあると便利)
※大きいサイズのビーカーは、全体量60ml のクリームを混ぜあわせる作業に使用するため、大きさに余裕がある100ml サイズがおすすめ

■アロマクリームの作り方
材料をビーカーに入れる

ビーカーにシアバター、植物油、パーム乳化ワックス、蜜蝋(みつろう)を入れる

(1) シアバター、植物油、パーム乳化ワックス、蜜蝋(みつろう)を、耐熱用ビーカー(サイズ大)に全部入れます。










 
湯銭

小さいビーカーにローズウォーターを入れて、(1)のビーカーと同時に湯煎にかける

(2) もう1つの耐熱用ビーカー(サイズ小)に、ローズウォーターを入れて、写真のように2つのビーカーを同時に湯煎にかけます。(1) のビーカーは、ガラス棒でゆっくりと混ぜながら溶かすことがポイントです。





 
湯煎できあがり

熱燗が出来上がったような湯気がOKのサイン

(3)材料がきれいに溶けて液体になり、2つのビーカーが熱燗程度にあたたまった頃合がOKの目安です。温めすぎると、品質が劣化するので気をつけましょう。





 
ビーカー

あたためたローズウォーターを3注ぎながら生クリームをホイップするようにひたすら混ぜる

(4) 全て溶けた(1)の耐熱用ビーカー(サイズ大)に、温めた(2)のローズウォーターを少しずつ3回に分けて注ぎます。泡立て器で、ホイップしながら注ぎましょう。

ローズウォーターを全部注いだ後は、ふんわりなめらかなクリームの質感になるまで、合わせた溶液をひたすら混ぜます。時間の目安としては、5分~10分です。生クリームをホイップするように楽しみながら混ぜましょう。




 
クリーム出来上がり

生クリームのようにツンと角が立つような感触がOKのサイン

(5) 溶液を混ぜていると、白くなり、生クリームのようにふんわりと角が立ってきます。これを目安に好きな精油を加えます。








 
クリーム容器へ入れる

ゴムベラを使って無駄なくアロマクリームを容器へ移します

(6)精油をなじませるように優しくかき混ぜたら、ゴムベラを使って手早く容器に移します。ケーキの種を容器に移すように、クリーム容器の底をトントンと軽く打ちつけながら空気を抜いて入れると、容器に綺麗に収まります。






 
(7)最後は、ゴムヘラで表面をきれいに整えれば出来上がり!
クリームの出来上がり

すり切りいっぱいにアロマクリームを詰めたらゴムベラできれいに整えましょう

アロマクリームの作り方のコツ

このクリームをきれいに作るためのポイントは、(1)の材料を湯煎で溶かす時に、固体の油脂(シアバター、みつろう、パーム乳化ワックス)と、液体の植物油を、ガラス棒でゆっくり混ぜながら溶かすことです。

固体の材料は、湯煎にかけることで見た目は溶けて液体の植物油と馴染んだように見えても、分子の大きさや性質が違う油脂が混ざっているため、実際にはきれいに混ざり合ってない場合があります。この点に注意すれば、クリームが分離せずにきれいに出来上がります。
 

ボディクリームだけじゃない!アロマクリームの使用法について

全身に使えるクリームなので、保湿したい場所に自由に使ってください。しっかり保湿するレシピになっているので、かかとの乾燥ケアにもおすすめします。もしテクスチャーが重く感じるならば手のひらでローションと馴染ませて柔らかくしてから使うといいでしょう。ヘアの保湿や、アイクリーム、ネイルクリームとしても使っていただけます。

 

おすすめの精油ブレンドの割合と効果について

今回のアロマクリームは、ローズウォーター入りのレシピです。ローズウォーターは、全ての肌タイプに適した万能なフローラルウォーターであり、とてもいい香りを放ってくれます。よって、香りも効果もローズウォーターと相性のいい贅沢なローズ繋がりの精油を3点ピックアップしました。

■おすすめの精油レシピ
精油

ローズウォーターと相性がいい3つの精油をブレンドします



・ローズウッド……2滴
・ローズゼラニウム……2滴
・ローズ……2滴

 
レシピはフェイシャルにも使えるように0.5%濃度にしています。お好みで0.5%~1%(6滴~12滴)の範囲で調整してください。最初は、レシピどおりのブレンドで香りを確かめてから調整すると、自分好みのブレンドにアレンジしやすいでしょう。

合計12滴(1%濃度)まで、どのようにアレンジしてブレンドするかは自由です。香りの相性や効果効能を考えて滴数を調整することで、自分のオリジナルクリームが出来上がります。

以下、レシピ精油の効果・効能についての説明です。

■ローズウッド(学名 Anibas rosaeodora)
全長約40m 近くにも成長するクスノキ科の大木の木部から抽出された精油です。バラのような香りがすることがこの名前の由来で、昔からこの香りが重宝され「高価なナイフの柄」などの彫刻の材料にも使われていました。アマゾンに生息し、原住民は「頭や喉」などの「首から上」の色々な症状に対して効果を発揮する植物として大事にされていました。

頭痛や喉の痛み、感染症予防のケアに加え、気持ちのバランスをとってくれる意味を持っています。「ローズの様な香り」ですが、一瞬鼻がスッとするような爽やかな香りがあり、年代や性別を問わずに好まれる香りが特徴です。色々な意味でバランスをとってくれる禁忌のないとても使い易い精油です。※禁忌事項:なし

■ローズゼラニウム(学名 Pelargonium graveolens roseum)
同じゼラニウムでも、「バラのような甘くさわやかな香り」が特徴です。基本的に、肌に優しく、昔から乾燥性湿疹のケアにも使われていた精油です。フェイシャルケアにとても役立ち、ホルモンバランスを整える働きがあるので香りも効果も女性にとても好まれます。瘢痕形成作用を持ち、皮膚に傷がある場合、傷を綺麗に形成し治癒に導くという効果があることから、ダメージを受けた肌を健康に戻す効果が期待できます。

※禁忌事項:ホルモン様作用があるため、妊娠4ヶ月までの方、ホルモン依存型の癌(卵巣癌、乳癌など)のある方は使用を控えるほうがいいでしょう。使用の頻度や濃度にもよりますので、使用の際は主治医にご確認下さい。人により、稀に皮膚炎を起こす場合があります。敏感肌、アレルギーのある方はパッチテストを行ってから使用することをおすすめします。

■ローズ(学名 Rosa damascena)
ローズは女性独特のあらゆる悩みに役立つ精油です。芳しい高貴な香りは「女王の香り」としても例えられます。女性は子宮の健康が気分をコントロールするとも言われています。ローズはそういう観点からの、女性の抑うつや気持ちのバランスを整えることにとても役立ちます。あらゆる肌タイプに適しており、毛細血管を強壮してくれる働きがあるので、マッサージをすることで血行促進にも役立ちます。

ローズが漢方薬であることはあまり知られていません。肝臓に働くことから、肝臓を元気にして美白、美肌へ導くケアに役立つ効果があります。赤ちゃんにも使える刺激の少ない基本的には優しい精油です。香りが強いので、少量滴数のブレンドで楽しむことをおすすめします。

※禁忌事項: ホルモン様作用のある物質は成分として存在しないといわれていますが、妊娠4ヶ月までの方の使用は注意したほうがいいでしょう。
 

手作りアロマコスメの注意点

自分で作ったアロマコスメは、料理と同じく自己責任で作って楽しむものです。安全にアロマコスメ作りを楽しんでいただくために、「アロマコスメの作り方・注意事項」の記事を最初に読んでいただくことをおすすめします。

手作りアロマコスメの材料はナチュラルな素材であり、基本的に肌に優しいコスメに仕上がりますが、全ての方の肌に合うとは限りません。アレルギーのある方、敏感肌の方、トラブルが心配な方は、必ずパッチテストをしてから使用していただくことをお願いします。

※パッチテストとは、腕の内側などにテストしたい材料を少し塗布して、赤くかぶれるなどの反応が出るかを確かめるテストです。精油1滴を、ティースプーン1杯くらいのお水で薄めて皮膚に塗布します。他の材料は、そのまま直接塗布してください。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して肌荒れや不調を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮し、正しい方法で行ってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。

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