【新JIS対応】という文字がカタログに記載されていますが、これは一体なんなのでしょう? エコが注目されている昨今、家電のエコ化もちゃくちゃくと進み、エアコンや冷蔵庫などの節電が大きくPRされているのは、皆さんもご存知かと思います。しかし!今年(2006年)5月、冷蔵庫のカタログ表示に大きな変化がありました。それが【新JIS対応】という文字なのです。 この【新JIS対応】というカタログだと、電気代に直結する年間消費電力量が、なんと3倍以上に跳ね上がっているのです。4月まで200kWh以下だった年間消費電力量が、軒並み600kWh前後となっているということです。200kWhなら年間の電気代は4,400円ですが、6000kWhだと13,200円ですから、消費者としてはちょっとビックリする話なのです。 これは一体、どういうことでしょう。今までの数値は“ウソ”だったのでしょうか。そして【新JIS対応】とは一体なんなのでしょう?今回はその事情をお話したいと思います。 表示消費電力量表示疑惑は一消費者の不信から始まった 実際に消費電力量を測ったところ、カタログ表記より2~3倍の数値を示したのが疑惑のはじまり 実は、冷蔵庫・年間消費電力量には、その数値の信憑性に疑惑が持たれていたのです。この表示疑惑が持ち上がったのは昨年6月頃。最新機種の冷蔵庫を購入しても、電気代が思ったより安くならないと感じた人が、実際に消費電力量を測ったところ、カタログ表記より2~3倍の数値を示したのがはじまりでした。そんなことから「冷蔵庫カタログ表記の年間消費電力量は、実態とはかけ離れているぞ」という疑惑が浮上したのです。 それまで、カタログや店頭では「1年で電気代がたったの○○円!」という宣伝文句が大きく表示されていました。しかし、電気代計算の基準となる消費電力量の数値が、実態とかけ離れているのでは、電気代もウソになる訳で...これはいけません。そもそも、どうして年間消費電力量の表示が実際とは異なっているのでしょうか? それはJIS(日本工業規格)に原因がありました。カタログ表記はきちんと、JISにそった試験により測定した数字が掲載されていたのですが、このJISの試験方法が、実生活に即した測定方法ではなかったのです。これでは、何の役にも立ちません。この様な試験方法であるJISの問題は大きいと指摘されました。また一方で、虚偽の表示をしていた訳ではないのですが、それを知っているにも関わらず、消費者に対し「節電です!省エネです!」とPRしていたメーカー・販売店などの姿勢も問題になりました。 このような実態が明るみにでたことで、全国の消費者団体はじめ自治体も問題を重視し、それ以後、電気代に換算する表示や、省エネラベルの表示を控えるようになっていったのが、昨年(2005年)の動きでした。 この実態を改善すべく打たれた対策がJISの見直し!詳しくは次ページへ>> 12次のページへ