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バイオ燃料飛行、実用化へ大きく前進!(2ページ目)

コンチネンタル航空は2009年1月7日、世界でも初となる水中で育つ“藻(も)”を使ったバイオ燃料による試験飛行を実施。その歴史的現場に立ち会うため、私はテキサス州ヒューストンへ飛びました。

執筆者:秋本 俊二

“藻(も)”から抽出したバイオ燃料


バイオ燃料とひと口に言っても、実験に使われるものの“中身”はエアライン各社によって異なります。たとえばヴァージンアトランティック航空が2008年2月のテストで使用したのは、ココナツを原料にしたバイオ燃料でした。実験は成功しましたが、食物を原料とするバイオ燃料は食品価格の高騰など世界の食料需給バランスに影響を及ぼすことが懸念され、実用化については賛否が分かれているのが現状です。

これに対してニュージーランド航空が使用したのは「ジャトロファ」と呼ばれ、アフリカ東部などで栽培された広葉樹の種子を原料とするバイオ燃料でした。食用に適さないこれら「第二世代バイオ燃料」は今後、これまでの石油に代わる航空ジェット燃料の主流になるものとして期待され、2009年1月30日にはJALも同様の試験を羽田空港で予定しています。

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ジャトロファ(左)と藻(右)から抽出される第二世代バイオ燃料

コンチネンタル航空もこれまで、航空機メーカーのボーイングや再生可能なエネルギーの開発を進めるUOP(エンジンメーカーであるGEの関連会社)などと提携し、9カ月を費やして試験飛行の準備を進めてきました。コンチネンタル航空の今回の実験が他社と大きく違うのは、搭載するバイオ燃料に、ジャトロファとともに水中で育つ“藻(も)”から抽出した成分を4割混ぜていることです。開発に当たった関係者は「バイオ燃料を量産するには、地上での作付け面積が必要になるジャトロファよりも、水の中で育つ藻を使うのがベスト」と話しています。


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