人間関係

離婚後の共同親権で親のエゴが炸裂したら「子の利益」は守れない…賛成派・反対派それぞれの本音

2年後には施行される可能性が大きい「共同親権」だが、当事者に賛否の声が渦巻く。最優先すべきは「子の利益と幸福」だが、すでに関係が破綻した親のエゴが炸裂しはしないだろうか。賛否それぞれの当事者に話を聞いた。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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当事者が語る「共同親権」のメリットとデメリットとは?

当事者が語る「共同親権」のメリットとデメリットとは?

運用上の課題が指摘されている共同親権。立場によって賛成・反対、それぞれの意見が渦巻き、議論が尽くされたとはいえない状況だが、2年後には施行される可能性が大きい。
 

課題が指摘される「共同親権」、当事者は……

もっとも大事なのは「子の利益と幸福」なのだが、両親は、すでに関係が破綻しているから離婚する。子の利益より相手への憎悪が優先するような事態になったらどうするのだろう。あるいは親のエゴが炸裂し、どちらかが子どもを人身御供にする恐れもある。

憎み合う前に離婚できれば、冷静に子の利益を話し合うこともできるだろうが、DVで逃げた場合、そしてそこに物的証拠がない場合はどうなるのか。

他の先進国が共同親権を導入しているから日本も導入しなければという理屈で先走った民法改正案のような気もするが、そもそも日本における結婚の歴史と人々のメンタルは、欧米のそれとは違う。そこがないがしろにされたまま施行されることに恐怖感と嫌悪感を抱く当事者たちは多いのではないだろうか。

賛成派と反対派、それぞれの立場でそれぞれの意見がある。
 

共同親権に期待を寄せる「賛成派」の意見

現状では、離婚後、離れて暮らす親には子との面会交流権がある。ところが養育費はきちんと払っているのに会わせてもらえないと嘆く親も少なくない。

「離婚したとき子どもは3歳でした。養育費は払っていますが、その後、3年間、子どもに会えていない。小さいから私の存在などもう覚えていないかもしれません。面会交流をしたいと申し入れてはいますが、元妻は嫌がらせのように会わせてくれないんです。

私も仕事がありますし、いちいち家裁に申し立てるのも時間的に難しい。そうこうしているうちに3年経ってしまったんです」

サトルさん(40歳)の場合、息子が3歳のとき、元妻が息子を連れて突然、実家に帰ってしまったという。特に家庭生活に問題があるとは思っていなかったのだが、元妻に言わせれば「あまりに家庭に非協力的」だということだった。そのときは謝り倒して戻ってきてもらったが、現実としてあまりに多忙で、やはり平日は家事育児にコミットするのは難しかった。
 

息子の幸せを思い、裁判を思いとどまった

「その後、再び妻が家を出て離婚話が勃発。妻はすぐに弁護士を入れました。専業主婦だから家事育児くらいやれと私に言われたと妻は泣いていましたが、私はそんなことを言った覚えはない。むしろ私自身が早く帰って子どもと一緒に過ごしたかった。それができなかったから、休日はめいっぱい家族で楽しもうとしていました。でも妻は弁護士を通して、夫は家族を遺棄していた、と。裁判をしてもよかったけど、それは結局、息子にも負担をかけることになる」

あとから、どうやら妻の両親が「私たちが面倒を見るから、孫だけ連れて帰ってらっしゃい」と妻を扇動したらしいと、妻の友人から聞いた。

「そのときは怒りが沸き起こってきましたが、息子が幸せならそれでもいいと思うしかなかった。ただ、親権はともかく面会だけはしたい。言われた養育費は一度も遅れることなく払っています。それなのに会えないのはつらい。共同親権になればと、私は少し希望を抱いています」

今回の改正案では、すでに離婚していても共同親権を選択できることになっている。

>反対派は……
 
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