男のこだわりグッズ

きっかけは“かかりつけの歯医者さん”の一言。デザイナー・秋田道夫の「縦型トート」開発秘話(3ページ目)

グラブレザーを使ったバッグを得意とするTRIONは、その道のプロとコラボしたバッグのシリーズ「PRO CRAFT」を展開しています。中でも、プロダクトデザイナーの秋田道夫さんと組んだ「Nothing」は大人気。今回はその最新作について、秋田さんにお話を伺いました。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド

ただ横型があるから縦型も……というバッグではない

ショルダーベルトの装着部分

着脱式のショルダーベルトの装着部分。このように内側から最小限の金属パーツで装着されている。ここ以外には金属パーツは一切使われていない

「元々のコンセプトは2枚の壁のような横型でしか考えていなかったんです。でも、周囲に結構、縦型がいいと言う人がいたから」と秋田さんは笑います。実は、秋田さんをトライオンに紹介したのは筆者です。そして、筆者もまた縦型のカバンが好きで、トライオンで「NOTE BAG」という縦型のショルダートートをプロデュースしています。

「トライオンさんがずっと作り続けているビジネスバッグのDOCUMENTシリーズというのがあって、あれが私はとても好きなんです。シンプルな1枚革で作られたスッキリしたブリーフケースで、あのシリーズのメインは横型なんですよね。それに、トライオンさんは、あのシリーズの次に向かう方向を模索されていました。そこに答えのひとつを提案したかったというのがあって、最初は横型を提案しました。だから、縦型は縦型をお求めの方へのサービスという部分もあります。また、本来、なるべく機能を削りたい私ですが、利便性を考えて把手とショルダーベルトの両方を付けたりしています。もっとも、ベルトは着脱できるようにしましたけれど」と秋田さん。
明るい内装

内装は、このように明るい色になっていて中が見通しやすい。上端の革部分にごくさりげなく、秋田さんの手によるNothingのロゴと秋田さんのサインがエンボスで入れられている

なるほど、ベースとしての「Nothing」があって、そのバリエーションとしては、単純に形を変えるという考えではなく、デザインコンセプトは統一しつつ、使い勝手や機能に変化を付けるという方向性なのでしょう。

内装が明るい色になっているのも、中が深い縦型だからこそ、内部を見やすくする必要があると考えたからだと言います。横型では、内装は暗い色で底板が明るい色になっているのですが、今回は逆になっているのです。

>次ページ:実際に使ってみた印象をフィードバッグして、細部はメーカーにお任せ
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます