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日本の紙おむつが世界一な理由!パンパース工場に潜入(3ページ目)

デリケートな赤ちゃんの肌に毎日触れる紙おむつは、やわらかくて肌にやさしいものが選びたい。それがわが子を思うお母さん、お父さん共通の願いではないでしょうか。2017年は、アメリカ・P&G社の紙おむつ「パンパース」が日本に初上陸してから40周年。兵庫県明石市にあるパンパース製造工場を訪ね、紙おむつの進化の歴史を探りました。

田中 真紀子

執筆者:田中 真紀子

白物・美容家電/育児用品ガイド

 いざ、パンパース工場の内部へ!

ではいよいよ、工場見学へ出発!安全と品質管理のための注意事項を聞いた後、オレンジ色のジャケットにヘルメット、安全靴を装着し、消毒してから踏み込みます。ふだんはなかなか見ることのできない工場内部へ潜入します。

 

シューズクリーナーで異物を落とし、手を洗って消毒し、エアブロアーでゴミを吹き飛ばすという何重ものプロセスを経て、やっと内部に入れます

シューズクリーナーで異物を落とし、手を洗って消毒し、エアブロアーでゴミを吹き飛ばすという何重ものプロセスを経て、やっと内部に入れます
 

工場は思ったより人が少なく、自動化、デジタル化による生産技術が取り入れられているのが分かります。途中、企業秘密のため、公開できない部分もありましたが、原材料の状態から、20以上のパーツが組み合わされ、きれいに折りたたまれてパッキングされるまでの工程を見学し、改めて紙おむつが最先端技術によって生み出されていることが実感できました。
巨大なロール状の原材料がものすごい勢いで巻き取られ……この状態からどのような工程を経て、あの紙おむつになっていくのでしょうか

巨大なロール状の原材料がものすごい勢いで巻き取られ……この状態からどのような工程を経て、あの紙おむつになっていくのでしょうか
 

製造ライン内には高精度な「ビジュアルセンサー」があり、不良品があればラインからはじき出されます

製造ライン内には高精度な「ビジュアルセンサー」があり、不良品があればラインからはじき出されます

チェックをパスした紙おむつたちが、次々とパックされていきます

チェックをパスした紙おむつたちが、次々とパックされていきます


続いて「品質管理室」に移動。ここでは、紙おむつの吸水性テストや、テープの強度チェックなどが行われていました。これらのチェックは、研究開発チームが設けた品質管理項目を満たすべく行われていますが、そのチェック項目はなんと数十ページにもわたるとか……品質へのこだわりに頭が下がります。

 

吸水テストでは、赤ちゃんのおしっこが横漏れしないか、斜めの状態でのチェック!サイドギャザーがせき止めていますね

吸水テストでは、赤ちゃんのおしっこが横漏れしないか、斜めの状態でのチェック!サイドギャザーがせき止めていますね
 

テープの強度をチェックするテストでは、そんなに伸ばさなくても~というほど伸ばしても、なかなか切れません(笑)

テープの強度をチェックするテストでは、そんなに伸ばさなくても~というほど伸ばしても、なかなか切れません(笑)

 

日本の消費者に喜ばれる紙おむつを目指して

今回、この「肌いち」を開発するにあたって苦労した点をお聞きすると「素材がやわらかいため、おむつへと成形していく工程が難しかった」と言います。工場のラインでは、硬いマテリアルは安定しますが、やわらかいと引っ張られて伸びてしまったり、安定しないなどの問題が出てきます。ここをクリアするのが大変だったそう。

また今までは、アメリカからヨーロッパが開発した製品を日本仕様で製造するという、いわば「受け手」の立場だったのが、今回は明石工場を中心にアジアがリードしていく立場に転じたのは、大きなチャレンジだったと言います。

「世界でもっとも品質に厳しい日本の消費者が満足するものを作れば、世界の消費者にも満足してもらえるということ。お父さん、お母さんの赤ちゃんのことを思う気持ちに応えるべく、今後も肌への優しさにこだわった紙おむつを作っていきたいですね」
やわらかさだけではなく、あらゆる面で肌へのやさしさに配慮しました」と語る研究開発本部シニアサイエンティストの梅尾貴士氏

やわらかさだけではなく、あらゆる面で肌へのやさしさに配慮しました」と語る研究開発本部シニアサイエンティストの梅尾貴士氏

素材開発責任者の橘良彦

「これからは、アジアが品質をリードしていく。その第一歩となるのが、肌いちです」と素材開発責任者の橘良彦氏

今回は、P&Gのパンパース製造工場を見学させていただきましたが、きっと各メーカーとも、同じ思いを持って研究開発に臨んでいるからこそ、次々と高性能な紙おむつが生まれているにちがいありません。紙おむつの歴史は進化の連続だったと改めて思わされる取材でした。

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