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Bluetoothヘッドホン・イヤホンの選び方

Bluetooth無線接続機能を活かせば、プレーヤーとヘッドホン間のケーブルが不要になり、快適なリスニング環境に! Bluetooth対応の携帯電話やポータブルプレーヤーも増加に伴い、 Bluetooth対応ヘッドホンにも普及の兆しが! 今回は、これから・・・という方に向け、Bluetoothヘッドホンの基礎知識と選び方をご紹介します!

鴻池 賢三

執筆者:鴻池 賢三

オーディオ・ビジュアルガイド

基礎知識: Bluetooth接続の互換性、機能の互換性

写真は、ソニーのウォークマンA820で、対応バージョンを表示させたところ。undefinedA2DPと、AVRCPに対応。

写真は、ソニーのウォークマンA820で、対応バージョンを表示させたところ。 A2DPと、AVRCPに注目。

従来のケーブルを用いたヘッドホンは、プラグをオーディオプレーヤーやパソコンに接続するだけと単純で、誰もが失敗なく音を聴くことができました。ところが、Bluetooth(ブルートゥース)は、無線を利用したデジタル接続であるため、上手く使いこなせば多機能で便利な反面、プレーヤーとヘッドホンの互換性に注意が必要です。

Bluetoothの互換性には、大きく分けて2点、「バージョン」と「プロファイル」があります。Bluetooth製品選びで失敗しない為には、基礎知識として、この「バージョン」と「プロファイル」について知っておきたいところです。 

Bluetoothの「バージョン」

「バージョン」は、基本となる無線接続の規格です。オーディオ用製品として普及しているBluetoothのバージョンは1.1、1.2、2.0、2.1、3.0で、3.0が最新と考えて差し支えありません。

原則、下位互換が確保されているので、新しいバージョンに対応した製品と古いバージョンに対応した製品を組み合わせる際も、古い製品を基準に接続が可能です。

以下、オーディオ用として製品化された主なバージョンとそれぞれの特徴です。

  • 「Ver. 1.0」~「Ver. 2.0」
    携帯電話のヘッドセット用としては充分な音質ながら、データ転送スピードが遅く、音楽用途としては音質面で不満を感じるレベルでした。
  • 「Ver. 2.0 +EDR」
    それまでのバージョンに比べ、EDR(Enhanced Data Rate)機能の追加により、データ転送スピードが最大3倍の3Mbpsに高速化。高音質化を実現しました。音楽を聴くヘッドホンなら「Ver. 2.0 + EDR」は必須と言えます。
  • 「Ver. 2.1」
    「ペアリング」作業の際、暗証番号(PIN番号)を入力する手間が省略できるようになりました。
  • 「Ver. 3.0」
    通信速度の上限がさらに3倍高速になって、最速24Mbpsに。消費電力を低減する管理機能も追加されました。
  • 「Ver. 4.0~」
    消費電力の低減や通信速度の向上を中心に進化中。(主にウエアラブルデバイスや家電のデータ通信に採用されている)

Bluetoothの「プロファイル」

Bluetooth対応機器には、プリンタ、マウス、ハンズフリーヘッドセット、ヘッドホンなどなど多岐に渡り、使う機能も多種多様です。それらの機能を定めたのが「プロファイル」であり、各製品が対応している「プロファイル」を見ると、どんな機能が使えるのかが分ります。Bluetooth対応ヘッドホンに関する「プロファイル」を見てゆきましょう。

  • A2DP (Advanced Audio Distribution Profile)
    高音質な音楽を、ステレオで伝送するためのプロファイル。 オーディオ用ヘッドホンやプレーヤーには必須と言えます。因みに、iPhoneはソフトウェアバージョン3.0から、「A2DP」に対応しています。
  • AVRCP (Audio Video Remote Control Profile)
    再生や停止、スキップや早送りなど、AV機器のコントロールに関するプロファイルです。例えば、オーディオ用ヘッドホンやプレーヤーの両方がこのプロファイルに対応していると、プレーヤーを鞄の中に入れたまま、ヘッドホン側で各種操作ができるので便利です。
  • HSP (Headset Profile)
    携帯電話とヘッドセット間で、双方向にモノラル音声のやり取りが可能です
  • HFP (Hands-Free Profile)
    HSPの機能に加え、電話の発信や着信時の通話開始操作も可能。音楽用ヘッドホンとは言え、あれば便利な機能です。

音の決め手。「コーデック」で選ぶ!

Bluetoothは、新しいバージョンに対応した製品がここ数年で非常に普及していて、製品選びの際にバージョンやプロファイルがネックとなる事は殆ど無くなりました。音質にこだわって選ぶなら、「コーデック」に注目しましょう。

高音質が必要とされるオーディオ用途では、A2DPプロファイルが用いられますが、音楽信号の圧縮に関わるコーデックは、それぞれの機器に委ねられます。Bluetoothでは、標準的にSBC(エス・ビー・シー)が規定されており、スペックにコーデックが明記されていない機器は、SBCを利用していると考えられます。

この場合、プレーヤーに音源をMP3やAACで収録していても、プレーヤー側でSBCに変換して送り出すので、音質が劣化がします。「Bluetoothは音が悪い」、という印象持っている人の多くは、SBCを体験された方でしょう。

しかし、最新のオーディオ機器では、高音質コーデックとして人気のAAC(エー・エー・シー)や、さらにその上を行く音質と評価の高いaptX(アプト・エックス)に対応した製品も登場し、「音の良いBluetooth」が広がりつつまります。

現在、比較的廉価な製品はSBCのみ、高音質タイプの一部でAACやaptXのどちらか一方、あるいは両方に対応しています。

その他、ソニーは、ハイレゾ音質に対応するBluetooth用の新しいコーデック「LDAC」(エルダック)を開発し、同社のヘッドホンやウォークマンに搭載を開始するなど、さらなる高音質化に向けた取り組みも始まっています。

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