共働き世帯は「家族がつながる住まい」を求める傾向に
新築を求める一次取得者は30~40代の共働き世帯が中心です。特にこの世帯は安心して子どもを育てられる環境を意識し、さらに家族団らんを強く考えつながる住まいづくりを目指す特徴があります。おそらく2011年3月11日の東日本大震災が影響しているのかも知れません。また、子ども室のあり方もプライバシーを重視した空間づくりではなく、やや開かれた空間づくりを心がけている傾向がみられます。家族のあり方も親子というよりは友達という関係性です。
30~40代で共働き世帯、そして友達家族のような和気あいあいとコミュニティがはずむ家族。間取りにどんな工夫が求められるのでしょうか?
家族がつながる住まいをつくる5つの工夫
具体的には次の5つのポイントを考えてみることです。■ポイント1:中入りリビング・ダイニングスタイル
玄関に入ると玄関ホールがあり、そこからすぐにダイニングに入る間取りです。家族が外出する。帰ってくる。とにかくいつでも顔を見ることができる、共有スペースを中心とした間取りです。
■ポイント2:ダイニングに家事コーナーを設ける
団らんの中心となるダイニングの近くに家事コーナーをつくり、そこをキーステーションとして家族の動線を考えます。
家事コーナーにはパソコン、家族関係の書類、学校関係の連絡など、情報のコミュニケーションの場になります。さらに家事の軽減にもつながっていきます。
■ポイント3:子ども部屋はコンパクトにする
受験期になれば自分の部屋に机が必要ですが、できる限り狭くし、共有の机を廊下などに設ける考え方です。子どもが小さいうちはダイニングなどで家族と触れ合い、見守られているといった安心感が子どもには大切です。子ども部屋をつくってもあまり個室化しないことです。
■ポイント4:玄関視線を意識した間取り
間取りを説明する際「気配を感じられる」という言葉が良く使われます。気配とは、はっきり見えないが周囲の様子から何となく漠然と感じられる様子のことです。
具体的な表現手法はスペースをずらす、吹抜けや中庭・抜け感を活かすなどです。又素材であればルーバーやスリガラス、乳白のポリカーボネイトなどを採用することでした。
しかしこれからは玄関への視線をどうするかも大切なキーワードになるかも知れません。
外に開かれている玄関は友人・知人が入ってきます。特に30~40代の世帯は気軽に交流パーティなどを開催します。子どものコミュニケーションを発達させる意味でも、共有スペースからの玄関視線はどうなっているのかチェックしておくことです。
■ポイント5:ウッドデッキのアウトドアライフ
30~40代にとってアウトドアライフスタイルは特別なことではなく日常の楽しみのひとつです。あらかじめスペースを想定し、給水や排水を考えておくことです。そして周囲のプライバシーにも配慮した外構計画を立てておくことです。